平川税務会計事務所   栗原 初治


第25回
法人の生命保険契約の税務


主な生命保険契約の種類と内容
 法人が、役員や使用人(これらの者の親族を含む。)を被保険者として生命保険に加入した場合、その支払保険料の税務上の取扱いについては、主に養老保険、定期保険、定期付養老保険等とに区分して定めています。

養老保険・・・養老保険とは、被保険者が死亡したとき又は保険期間が満了したときに死亡保険金又は満期保険金が支払われる生命保険をいいます。

定期保険・・・定期保険とは、一定期間内に被保険者が死亡した場合にのみ保険金が支払われる生命保険をいいます。 また、役員等の生前退職や死亡保障をカバーするのに多く用いられている長期平準定期保険及び逓増定期保険も定期保険ですが、これらはそれぞれ個別の取扱いがあり、一般の定期保険と取扱いが異なります。 定期付

養老保険・・・定期付養老保険とは、養老保険に定期保険を付したものをいい、保険料が養老保険と定期保険に区分されているかどうかにより取扱いが異なります。

保険料を支払った場合の税務上の取扱い
 保険種類別の法人が支払う保険料の税務上の取扱いについては下記 のとおりとなります。この場合、保険契約者(保険料負担者)は法人 となります。

保険種類
保険金受取人
主契約保険料
特約保険料
死亡保険金
満期保険金
養老保険
法人税
基本通達
9−3−4
法人
法人
資産計上 損金算入

 ただし、役員等のみを特約給付金の受取人とする場合には給与
遺族
被保険者
給与
遺族
法人
1/2資産計上
1/2損金算入
 ただし、役員等のみを被保険者とする場合には給与
定期保険
法人税
基本通達
9−3−5
法人
なし
損金算入
遺族
なし
損金算入
 ただし、役員等のみを被保険者とする場合には給与

* 定期付養老保険の取扱い
1) 保険料が養老保険と定期保険に区分されている場合 ・・・それぞれの保険料について養老保険又は定期保険の取扱いと同様。

2) 保険料が区分されていない場合・・・養老保険の取扱いと同様。

長期平準定期保険及び逓増定期保険の税務上の取扱い
  長期平準定期保険及び逓増定期保険の税務上の取扱いは下記のとおりです。なお、契約者が法人で、被保険者が役員や使用人(これらの者の親族を含む。)であることが前提となります。

保険種類
被保険者の
保険期間
満了時年齢
契約年齢
+(保険期間×2
当初から
保険期間の6割に相当する期間
残り4割に
相当する期間
長期平準定期保険

法人税
基本通達
9−3−5
及び 直法2−2
70歳超 かつ 105超
1/2資産計上
1/2損金算入
 全額損金処理し、資産計上の累積額をその後の期間の経過に応じ損金算入
逓増
定期保険

法人税
基本通達
9−3−5
及び
課法2−3
1)
60歳超 かつ 90超
1) 
1/2資産計上   1/2損金算入
2)
70歳超 かつ 105超
2) 
2/3資産計上   1/3損金算入
3)
80歳超 かつ 120超
3) 
3/4資産計上   1/4損金算入

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2001.10.15 ビジネスメールUP! 211号より )

 

 
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