平川税務会計事務所   斎藤 毅


第29回
確定拠出年金に係る税制の概要

確定拠出年金とは
 本年10月1日より、確定拠出年金法が施行されました。
 確定拠出年金とは、加入者が拠出する掛金は予め定められているが、拠出された掛金は個々の加入者が自己責任で運用し、掛金とその運用収益との合計額をもとに給付額が決定される年金であり、企業が従業員のために実施する企業型年金と、自営業者や企業の支援を受けられない従業員等が任意で加入する個人型年金の二つに大別されます。

確定拠出年金に係る税制の概要

(1) 拠出段階
   拠出段階については、企業型年金における企業が拠出した掛金は全額損金算入とされ、加入者の給与ともみなされません。
 また、個人型年金における加入者が拠出した掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となり、全額が所得控除されます。
(2) 運用段階
   運用段階については、年金資産には利子・配当課税は適用されず、特別法人税(国税1%・地方税0.173%)が課税されます。
 ただし、特別法人税は、平成15年3月31日まで凍結されており、それまでは運用段階も非課税となります。
(3) 給付段階
   給付段階については、老齢給付金は、年金の場合には、他の公的年金や厚生年金基金などと同様に公的年金等控除が適用され、一時金の場合には、制度への掛金払込期間を勤続年数とみなして退職所得課税が適用されます。
 ただし、年金で受給した場合には、年金額に一律20%の所得税が源泉徴収され、確定申告等の際に、公的年金等控除の対象となる他の年金額と合わせて税額調整が行われることとなります。
 また、老齢給付金以外の給付については、脱退一時金は一時所得課税、障害給付金は全額非課税、死亡一時金はみなし相続財産として相続税の課税対象(法定相続人の数に500万円を乗じた金額まで非課税)となります。
(4) 年金資産の移管
   企業の従業員や自営業者等が離職又は転職し、ほかの企業型年金や個人型年金に年金資産を移管した場合には、当該年金資産には課税されず、非課税で移管できます。

 

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2001.11.12 ビジネスメールUP! 223号より )

 

 
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