平川税務会計事務所   戸島 優子


第31回
扶養者に関しての税金・保険について

所得税の取り扱い

 パート・アルバイト収入も所得税法上「給与所得」として扱われ、所得金額は収入金額−給与所得控除額により算出されます。

 夫(父)に所得があり妻及び子供が働いている場合、妻及び子供の所得金額が38万円以下である場合「配偶者控除(扶養控除)」を受けることができます。

 妻及び子供の収入が給与所得のみのときは、給与所得控除額が最低65万円ということを考慮すると、給与所得が103万円までであればこの控除が受けられることとなります。

 さらに配偶者の場合は、所得金額が38万円を超えても76万円未満(給与収入のみの場合141万円未満)であれば所得金額に応じて「配偶者特別控除」を受けることができます。この控除は妻が働くことによって一定額以上の収入を得ると、世帯全体の手取り収入が減るといった「手取りの逆転現象」を解消するために設けられています。

 ただしこの控除は夫の合計所得金額が1,000万円(給与収入で約1,231万円)を超える年には受けることができないことに注意が必要です。

 夫が給与収入のみであれば、勤務先に「扶養控除等(異動)申告書」に妻及び子供の氏名・続柄・職業・生年月日・見積り所得金額等を記載し提出することにより上記各種控除は年末調整で受けることが可能となります。

住民税の取り扱い

 住民税については所得金額が市区町村の定める金額以下の場合は、非課税となっています。

 東京23区の場合は35万円となっているため、給与のみの収入がある場合 65万円(給与所得控除)+35万円=100万円未満の収入の場合は住民税が課税されないこととなっています。

社会保険上の取り扱い

 健康保険に関しては、年収が130万円(60歳以上又は障害者の場合は180万円)未満で、かつ被保険者の年収の半分未満であれば被扶養者として認められます。

 夫婦が共働きの場合、被扶養者認定は家計の実態・社会通念等によってされますが、年間収入の多い方、年収が同程度の場合は届出により主として生計を維持する方ということを基準として判断します。

 

バックナンバー

2001.11.26 ビジネスメールUP! 228号より )

 

 
過去のニュース、コラムを検索できます
 Copyright(C) LOTUS21.Co.,Ltd. 2000-2017. All rights reserved.
 全ての記事、画像、コンテンツに係る著作権は株式会社ロータス21に帰属します。無断転載、無断引用を禁じます。
 このホームページに関するご意見、お問合せはinfo@lotus21.co.jp まで