平川税務会計事務所  諸岡 正也


第56回
中小企業者等に対する留保金課税の軽減

☆ 留保金課税の5%軽減
 平成14年度税制改正において中小企業(資本金1億円以下の法人)にかかる課税留保金額に対する税額については、その5%に相当する金額が軽減されることとなった。

☆ 課税停止対象範囲の拡充
(1)平成12年度改正   
  平成12年度の改正において、中小企業、ベンチャー企業の振興・育成の観点から@設立後10年以内の新事業創出促進法に規定する中小企業者、A新事業創出促進法の認定事業者の内部留保に対し、2年間の時限措置として同族会社の留保金課税を行わないという特例が設けられた。

(2)平成14年度改正   
  新事業の開拓・研究開発等の新たなチャレンジ(経営革新)に取り組む中小企業やベンチャー企業を支援するため、留保金課税の課税停止となる対象法人を抜本的に拡充したうえ、その適用期限が2年延長されることとなった。

@ 拡充される対象法人の範囲
  中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法2条1項に規定する中小企業者に該当する同族会社で、その事業年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度の試験研究費の額及び開発費の額の合計額の収入金額に対する割合として一定の割合が100分の3を超える場合におけるその事業年度が対象となった。

A 拡充された対象法人における一定の割合
  その事業年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度の総収入金額の合計額に対するその事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額(措法42の4@)及び新たな経営組織の採用、市場の開拓又は新たな事業の開始のために特別に支出される費用の額(中小企業創造活動促進法施工令5@)の合計額の割合となった。

 各事業年度の試験研究費の額+開発費の額÷各事業年度の総収入金額 >3%

○試験研究費(事業シーズの発見のための費用)
 ・製品の製造又はサービスの提供に係る試験研究
 ・技術の改良・考案又は発明に係る試験研究

○ 開発費(事業化・製品化のための費用)
 ・新技術の採用   
 ・新経営組織の採用    
 ・新事業の開始   
 ・市場の開拓

2002.6.10 ビジネスメールUP! 300号より )

 

 
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