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役員賞与の費用処理は平成18年5月期決算法人から適用へ
ASB・役員賞与に関する会計基準案を公表

 企業会計基準委員会(ASB)は9月2日、企業会計基準公開草案第9号「役員賞与に関する会計基準(案)」を決定した(9月7日公表)。役員賞与について、発生時の費用として会計処理することを求めている(No.128参照)。適用は会社法施行期日以後終了する事業年度に係る株主総会の決議に係る役員賞与からとされている。したがって、仮に会社法施行日が平成18年5月中であれば、平成18年5月期決算法人から適用されることになる。10月11日まで意見募集した後、早ければ年内にも確定する。

費用処理した場合は会計方針の変更
 7月26日に公布された会社法では、役員賞与は、役員報酬とともに、株式会社から受ける「財産上の利益」とされ、定款に定めがない場合を除き、株主総会の決議によって定めるとされている(会社法361、379、387、404B、409)。今回の公開草案は、会社法改正を受けてのものである。公開草案によると、役員賞与については、発生した会計期間の費用として処理することが明記されている。取締役、会計参与、監査役及び執行役に対する賞与の会計処理を定めており、役員に対する金銭以外の支給や退職慰労金は取り扱っていない。
 また、役員賞与会計基準の適用に伴い、役員賞与を発生時に費用として会計処理することとなった場合には、会計方針の変更として取り扱うことになる。また、当期の職務に係る役員賞与については、当期末後の株主総会においてその役員への支給額が決議されることになるので、当該決議事項とした額(当期の職務に係る額に限る)を引当金(商法施行規則第43条)に計上することになる。
 適用時期については、会社法施行期日以後終了する事業年度に係る株主総会(委員会設置会社にあっては報酬委員会)の決議に係る役員賞与からとされている。したがって、仮に会社法の施行日が平成18年5月上旬であれば、5月期決算法人から適用される。なお、役員賞与会計基準が適用された場合には、実務対応報告第13号「役員賞与の会計処理に関する当面の取扱い」は廃止される。

損金算入なるか?
 今回の役員賞与の会計基準案を受けて法務省でも、会社法施行規則案に同様の規定を盛り込む予定だ。ただ、問題は税務上の取扱い。現行、役員賞与については、損金不算入となっているため、税制改正が行われなければ、申告調整ということになる。
経済産業省などでは、平成18年度税制改正において、役員賞与の損金算入を求めており、平成18年度税制改正での大きな論点の一つになりそうだ。

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週刊「T&A master」130号(2005.9.12「最重要ニュース」より転載)

(分類:会計 2005.10.21 ビジネスメールUP! 766号より )

 

 
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