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他の相続人の協力なく、財産把握が困難な場合、「正当な理由」に該当
審判所、過少申告加算税の賦課は酷と判断し、処分取り消し

 

 国税不服審判所は、被相続人と面識がなく、他の相続人からの協力も得られずに相続財産の把握が困難なケースでは、過少申告加算税を課さない正当な理由が認められるとして、賦課決定処分を取り消す裁決を行った。税務署は、「正当な理由」について、災害など納税者の責めに帰せられない外的事情などの真にやむを得ない理由による場合を指すと主張したが、裁決では、被相続人及び他の相続人と請求人の関係を考慮した判断がなされている。

相続税調査で未分割の申告漏れ財産
 請求人は、死亡した被相続人の長女(被相続人の先妻との間に生まれ、3歳の時に別居)であり、被相続人の妻と長男(以下、他の相続人)とともに、被相続人の財産を相続により取得した。請求人は、取得した相続財産についての相続税の申告書を法定申告期限までに提出。その後、2度の修正申告を行っている。しかし、税務署は、調査により未分割の相続財産があったとして、請求人に対して更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。

争点は「正当な理由」の存否
 請求人は、相続税の調査において、更正処分の対象となった相続財産に関する具体的な証拠の提示及び説明が請求人に対して行われておらず、処分は違法と主張したが、審判所は棄却している。
 また、請求人は、過少申告加算税の賦課決定処分について、以下の点から取り消しを求めている。@請求人は被相続人についての知識がほとんどなく、また、他の相続人の代理人である弁護士に対し、再三、相続財産についての資料提供や遺産目録に関する質問に対する回答を求めても返事がもらえなかった。A他の相続人に不信な行為があったことから、相続財産の解明に努めたが、請求人が持っている証拠書類以上の申告をすることができなかった。
 これに対して税務署は、過少申告加算税を課さないことの正当な理由を、災害などの外的事情に起因する場合など真にやむを得ない理由によるものとし、他の相続人と容易に連絡が取れないことは、正当な理由に該当しないと主張した。

真にやむを得ない事情と認める
 審判所の判断では、請求人が被相続人についての知識をほとんど持たず、相続財産についても弁護士からの情報に限られていたこと及び他の相続人からの情報提供や協力なしには財産の把握などが困難であったことを、真にやむを得ない事情と認めている。その上で、請求人に過少申告加算税を賦課することは酷であり、正当な理由があるとして、過少申告加算税の賦課決定処分を取り消した。

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  キーワード 「正当な理由」⇒26件

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週刊「T&A master」154号(2006.3.13「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2006.3.31 ビジネスメールUP! 829号より )

 

 
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