オーナー課税が平成23年度税制改正で形を変えて復活も
平成22年度税制改正大綱「二重控除防止の抜本的措置」の導入明記

 平成22年度税制改正では、いわゆるオーナー課税(特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度)が廃止されることとなった。しかし、平成22年度税制改正大綱には、役員給与が法人段階で損金算入され、さらに個人段階で給与所得控除の対象になるという「二重控除」の問題を解消するための抜本的措置を平成23年度税制改正で講じる旨の1文が盛り込まれ、オーナー課税に代わる新たな二重控除防止策が導入される方向となっている。具体的には、サラリーマンとオーナーの給与所得控除の仕組みを別のものとし、オーナーの給与所得控除を一定年収で頭打ちにすることなどが検討される可能性があるようだ。

給与所得控除の頭打ちでは不十分との声も
 オーナー課税の廃止は、中小企業軽減税率の11%への引下げとともに、民主党の中小企業政策の象徴的な存在だが、財源的な理由から、一旦は平成22年度税制改正での導入が見送られた経緯がある。
 オーナー課税の廃止が再浮上した背景には、2つの目玉政策が両方とも実現しないという事態は回避したいという民主党の思惑のなか、より税収へのダメージが小さい特殊支配同族会社課税の廃止が選択されたということがある(中小企業軽減税率の引下げは1,900億円の税収減、特殊支配同族会社課税の廃止は600億円の税収減が見込まれていた)。
 こうして廃止が決まったオーナー課税であるが、平成22年度税制改正大綱には、「給与所得控除を含めた所得税のあり方について議論をしていく中で、個人事業主との課税の不均衡を是正し、『二重控除』の問題を解消するための抜本的措置を平成23年度税制改正で講じる」との1文が盛り込まれ、注目を集めている。
 制度の詳細については今後の議論を待たなければならないが、本誌取材によると、役員給与が法人段階で損金算入され、個人段階で給与所得控除の対象になるという「二重控除」の問題を解消するため、サラリーマンとオーナーの給与所得控除の仕組みを別のものとすることが検討される可能性があるようだ。
 具体的には、オーナーの給与所得控除額を、一定の年収で頭打ちにする措置が検討の俎上にのぼってくることが考えられる。ただ、政府内では、「一定の年収で給与所得控除を頭打ちにするだけでは、二重控除の解消策として十分ではない」との意見も聞かれ、さらに踏み込んだ形でオーナーの給与所得控除が制限される可能性もある。オーナー系の中小企業をクライアントに抱える税理士からは、「オーナー課税が形を変えて復活するようなものではないか」と指摘する声が早くも上がっている。

 

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  キーワード 「オーナー課税」⇒27

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タイトル
登録日
コラム 政府与党の調整課題 2009年 12月 28日
資料 税制調査会(平成21年度 第24回・12月22日開催)後の記者会見の模様 2009年 12月 28日
オフィシャル税務 平成22年度税制改正、特殊支配同族会社課税が廃止

2009年 12月 28日

資料 税制調査会(平成21年度 第21回・12月8日開催)議事録 2009年 12月 14日
コラム 税理士事務所回覧用 月曜朝イチCHECK

2009年 12月 14日

資料 税制調査会(平成21年度 第21回・12月8日開催)後の記者会見の模様 2009年 12月 11日
(以上、最新順)

週刊「T&A master」338号(2010.1.18「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2010.3.17 ビジネスメールUP! 1380号より )

 

 
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