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メリットは大きいが厳しい要件
適用要件でみる雇用促進税制のポイント

 平成23年度税制改正で創設された雇用促進税制。平成23年4月からの3年間の時限措置であり、従業員のうち雇用保険の一般被保険者の数を5人以上(中小企業者等は2人以上)増加させる等の要件を満たす場合、1人増加するごとに20万円の税額控除ができる制度のこと。1人当たり20万円の税額控除ができるだけに社員を雇う会社側にとっては朗報といえそうだ。ただし、適用できるのは一定の要件を満たすことができる企業に限られており、使い勝手がよいとはいえないのではないかといった声が税理士や企業から聞こえてくる。スコープでは、適用要件のポイントをみてみることにする。

中小企業の場合は純増の雇用者が2人以上
 雇用促進税制は、平成22年9月10日閣議決定の「新成長力戦略実現に向けた3段構えの経済対策」を踏まえたもの。青色申告法人が、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度において、当期末の雇用者数が前期末の雇用者数に比べて5人以上(中小企業者等の場合は2人以上)および10%以上増加している場合など、一定の要件を満たす場合には、雇用者1人につき20万円の税額控除ができる。
 一定の要件とは大きく5つあり、これらをすべて満たすことが必要とされている(図表1参照)。
基準雇用者割合が10%未満はNG
 図表1に掲げた要件のうち、注意しなければならないのは、Aの基準雇用者数だ。この数は、実際に新しく雇用した人数ではなく、1年間会社で純増した雇用者数となる。図表2にあるように、新規雇用者数が7名であっても、定年退職者が1人いれば基準雇用者数は6人となる。たとえば、中小企業が定年退職者2名を埋め合わせるため、新規で従業員を2名雇ったとしても基準雇用者数は0名となり、要件を満たさないことになる。
 また、Bの基準雇用者割合が10%以上の要件も難しい。たとえば、雇用者数が40人の中小企業の場合、従業員を3人雇っても基準雇用者割合は7.5%となり、要件を満たさないことになる。
 Cの給与等支給額についても要注意である。たとえば、定年退職者など、ある程度の給与を支給していた人が辞めているケースなどは、比較給与等支給額が給与等支給額よりも大きくなることも想定されるからだ。
中小企業の場合は20%相当額が限度も……
 そのほか、留意しなければならないのは、税額控除の限度額が決められている点である。雇用促進税制の最大のメリットは、雇用者1人につき20万円の税額控除ができることであるが、大企業であれば当期の法人税額の10%、中小企業の場合は20%相当額が限度とされている。
 たとえば、基準雇用者数が3人の中小企業の場合、税額控除額は最大で60万円となるものの、仮に法人税額が100万円であれば、その20%相当額の20万円しか税額控除できないことになるわけだ。

平成23年10月31日まで雇用促進計画の提出が可能
 以上のような厳しい要件をクリアできる企業であれば、是非とも利用したい制度が雇用促進税制だ。適用までの主な手続は以下のとおりとなる。

@ 企業は事業年度開始後2か月以内に目標の雇用増加数等を記載した雇用促進計画を作成し、ハローワークに届出。
A 事業年度終了後2か月以内にハローワークから雇用促進計画についての確認を受ける。
B ハローワークによって確認を受け、交付される雇用促進計画等の書類を確定申告書に添付する。

 留意すべき点としては、事業年度開始後2か月以内に本社・本店を管轄するハローワークに雇用促進計画を提出する点。今年に限り、平成23年4月1日から8月31日までに事業年度を開始した企業については、特例措置として平成23年10月31日まで提出が可能になっている。
雇用促進計画様式は厚労省のHPに掲載
 この期間に雇用促進計画ハローワークに提出しなければ、そもそも適用することはできない。このため、新規に従業員を採用しようと考えている企業は、一応、雇用促進計画の提出も考えてみる価値がありそうだ。なお、「雇用促進計画様式」については、厚生労働省のホームページに掲載されている。
 また、事業年度終了後2か月以内にハローワークに雇用促進計画の達成状況の確認を行う必要がある。ハローワークによれば、確認までに1月程度の時間を要することもあるとしている。確定申告の期限までに間に合わせるためには、早めの確認が必要になりそうだ。

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週刊「T&A master」419号(2011.9.19「SCOPE」より転載)

(分類:税務 2011.11.14 ビジネスメールUP! 1612号より )

 

 
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