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3年前に本誌警鐘! 株原価巡り企業敗訴
東京地裁、株式移転で自己株に割当ての持株会社株の譲渡原価を0と判断

・ 東京地裁、株式移転完全子法人保有の自己株に割当ての株式移転完全親法人株の取得価額を0と判断。
・ 税務上の帳簿価額が0の自己株に割り当てる持株会社株の取得価額も0との課税当局の解釈を支持。
・ 会計処理との整合性などを訴える原告企業の主張は却下。原告企業は控訴。

 たとえばA社とB社が共同で株式移転を行い、持株会社ABホールディングス(株式移転完全親法人)を設立、A社、B社ともその子会社(株式移転完全子法人)になるとする。この場合、A社とB社の株主にはABホールディングス株が割り当てられる。したがって、A社が自己株式を保有していた場合には、A社に対してもABホールディングス株が割り当てられることになる。
 ただ、会社法上、子会社は親会社株式を継続して保有できないため、A社は相当の時期にABホールディングス株を売却等して処分しなければならない。この場合に問題となるのが、ABホールディングス株の「取得価額」だ。
 法人税法上、自己株式を取得等した場合には資産に計上せず、当該自己株式の帳簿価額に相当する金額だけ資本金等の額を減算することになる。すなわち、自己株式の税務上の帳簿価額はゼロとなる。したがって、株式移転完全子法人(A社)が保有していた自己株式に対して株式移転完全親法人株式(ABホールディングス株)が割り当てられた場合、「取得価額ゼロの株式に見合う株式の取得価額もゼロ」という理屈で、当該株式移転完全親法人株式の取得価額もゼロになるというのが、課税当局の解釈だ(法令119条1項10号)。
 課税当局の解釈に従えば、株式移転完全親法人株式を売却した際には、取得価額がゼロであるがゆえ、売却額がほぼそのまま課税上の譲渡益となり、巨額の税負担が生じる。そこで本誌では、株式移転完全子法人は、株式移転等の前に自己株式の消却を検討するよう、3年半超前に警鐘を鳴らしていたところだ(本誌262号8頁)。
 本裁判は、株式移転による持株会社設立に際し、まさにこの論点を争点として争われたもので、裁判所が上記の課税当局の取扱いを全面的に支持する判決が下されている。原告企業は、「法人が有する自己株式が零円であるとする解釈は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算する旨を定めた法人税法22条に違反する」などと主張、譲渡原価として会計処理との整合性等を主張したが、原告の主張はいずれも退けられている。
 なお、本件はすでに控訴されている。

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週刊「T&A master」426号(2011.11.14「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2012.1.18 ビジネスメールUP! 1634号より )

 

 
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