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金商法の課徴金納付命令に初の司法判断
東京地裁、課徴金(8億3,613万円)の取消しを求めたJVCの請求棄却

・ 東京地裁は6月29日、JVCケンウッドへの課徴金納付命令決定は適法と判断(平成22年(行ウ)739号)。
・ 金商法172条の2第1項1号所定の課徴金の額を判断する基準時は「新株予約権を取得させた時点」であると判示。
・ 新株予約権を取得させた後の事情は課徴金の額に影響せず。

 事案は、JVCが虚偽有価証券届出書に基づく募集により取得させた新株予約権を巡り、金融庁長官が決定した課徴金納付命令(8億3,613万円)の適法性が争われていたもの。具体的には、金商法172条の2第1項1号所定の課徴金の額を判断する基準時は、「新株予約権を取得させた時点」と「課徴金納付命令の決定時」のいずれであるか。また、同号規定の新株予約権の行使に際して払い込むべき金額は、「当初の行使価額」と「合理的な資金調達見込額(修正後の行使価額)」のいずれに基づいて算定されるべきかが争われていた。
 JVCは、課徴金の額を判断する基準時は、「課徴金納付命令の決定時」であると主張。新株予約権は、納付命令決定前に取得・消却され、払込金額も全額返還されていることを指摘。JVCは利得を保持しておらず、課徴金を課すことができない旨を主張していた。また、新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の意義については、新株予約権の内容に基づいて合理的に見込まれる払込金額と解すべきであると主張。本件では、当初の行使価額ではなく、修正後の行使価額に基づいて算定されるべき旨を主張していた。
 東京地裁民事第3部の八木一洋裁判長は、金商法172条の2第1項1号所定の課徴金は、虚偽記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた時点で納付命令の決定をする要件は満たされ、その時点における事情を基礎に課徴金の額を算定すべきものと解するのが文言に即した解釈というべきであると判示。その要件を具備してから納付命令の決定時までに生じた事情をも考慮して課徴金の額を算定すべき旨を定めたものであると解すべき根拠は見いだし難いとした。また、新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の意義については、その文理に照らしても、新株予約権を取得させた時点における払込み予定価額(すなわち当初行使価額)をいうものと解するのが相当であると判示し、いずれもJVCの主張を斥けている(判決を不服とするJVCは、東京高裁へ控訴している)。
 なお、今回の事案は、金商法の課徴金の納付命令決定を巡り、初めて司法の判断が示された点で注目されるものだ。

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  キーワード 「JVC」⇒10

分類

タイトル
登録日

プレミアム会社法

JVCの審判事件で金融庁、課徴金の納付を命ずる決定

2010年 12月 20日

コラム

新株予約権証券の発行と課徴金の額

2010年 12月 20日

プレミアム会社法

インターアクション元取締役の内部者取引を巡って審判期日が開催 2010年 11月 22日

コラム

JVCの課徴金審判、第1回の審判期日開催をもって結審

2010年 11月 08日

プレミアム会計

12月期決算法人の内部統制報告書のうち、7社に重要な欠陥

2010年 04月 12日

解説記事

「みなし配当が生じない自己株式の取得」の税務上の取扱い

2009年 08月 24日

(以上、最新順)  

 

週刊「T&A master」461号(2012.7.30「今週のニュース」より転載)

(分類:会社法 2012.10.24 ビジネスメールUP! 1745号より )

 

 
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