連結納税のメリット

 来年4月からの適用が可能となった連結納税。最近、テレビや新聞が「レンケツノウゼイ、レンケツノウゼイ」と叫ぶものですから、覚えられた方も少なくないのではないでしょうか。  ところで、連結納税です。この制度、「会社グループをあたかも1つの会社とみなして課税するもの」などとされていますが、実際はこんな簡単なものではありません。

 例えば、「会社グループ」と一口に言っても中身は様々です。連結納税のグループは内国法人(親会社)と親会社に直接・間接に100%株式保有されている内国法人(子会社)です。「それなら、外から欠損を抱える赤字会社を買収して子会社とすれば、所得通算で納税額はゼロになるのではないか」と思われる方もいるようですが、これはダメです。子会社の繰越欠損は特殊な場合を除き連結納税グループに持ち込むことができません。

 課税方法も特殊です。各社の所得通算後の連結所得に「通常の法人税率+2%」が税率として掛けられ、親会社がまとめて納税します。地方税は各会社が単体で納税しますが課税標準は基本的に連結所得です。  連結グループ内の資産移転は時価で行われたものとしますが、グループ外へ移転するまでの譲渡益は繰延べられます。ということは資産の管理も親会社がしなければならないわけです。

 いかがですか?連結納税事務量は相当なものとなりそうですが、それでも、黒字と赤字が通算できるというメリットは画期的なものです。結局、連結を選択すべきかどうかは各社各様というところでしょう。今のところ、上場企業の半分くらいが連結選択を視野に入れているようです。

2001.12.14 ビジネスメールUP! 236号より )

 

 
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