小さな会社の連結納税

 各会社の損益を通算して税額を計算する「連結納税」が来年の4月からスタートします。上場企業の対応などは新聞紙上で報道されていますが、非上場の中小企業のオーナーの中には「お!これは究極の節税策?」と思われた方もいるのではないでしょうか。 確かに、連結納税制度は、会社の大小に関係なく選択することができますが、実際のところ、企業にどれほどのメリット・デメリットがあるのか判然としないのが現状です。中小企業の連結納税選択の損得を今の時点でシュミレートできる先生は全国で数人(ひょっとしてゼロ?)しかいません。

  にもかかわらず、敢えて連結納税選択の損得を挙げてみましょう。

  メリットは、各社の所得の損益通算、受取配当益金不算入制度見直しの影響を受けない、デメリットは、付加税(+2%2年間)、一度選択したらほぼ止めることができない、交際費課税、グループ内寄附金の全額損金不算入、選択による事務負担増加、などなどです。子会社の繰越欠損金を連結に持ち込もうと思えば、13年中に株式移転により100%子会社としなければなりませんから、現実的にはできない相談です。おまけに「付加税」は2年後にゼロになるかもしれませんし、逆に数%上乗せされるかもしれません。

  加えて、今回の連結納税制度は、単に法人税計算過程などの変更ではなく、むしろ「租税回避行為の横行」を非常に強く意識して作られます。

  中小企業の「連結納税」選択にはこれらのリスクを上回る“強い勇気”が必要かもしれません。

2001.12.26 ビジネスメールUP! 240号より )

 

 
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