二元的所得課税

 平成14年に入り、金融庁が主管する「金融税制に関する研究会」では、「二元的所得課税」の導入について、本格的な検討をスタ−トさせた。「二元的所得課税」とは、金融商品から生ずる所得(金融所得)を他の所得(勤労性所得)と分離して課税を行うとするものである。

  「金融税制に関する研究会」は、平成12・13年に8回の会合を開いて、「二元的所得課税」を含め、金融税制に関する意見のとりまとめを行ってきたが、これまでは「証券税制の改正」が優先されてきた。「二元的所得課税」は、全所得の総合課税化を進めてきた政府のこれまでの方針とは、逆行するものである。

  しかし、「金融税制に関する研究会」では、金融所得に対する課税は、金融資産の形成までの段階で、(勤労性所得として)累進的な課税を経てきたものに対する二次的な課税であり、その所得としての性格の違いから、金融所得と勤労性所得については課税についても分離すべきだとする意見が、主流を占めている。また、「貯蓄から投資へ」という経済の構造改革を進める上では、利子・配当・有価証券の譲渡損益といった金融所得に対する課税方針の一本化が金融商品への課税の中立性の観点から避けられない。金融所得に対する課税については、累進課税ではなく、一定の税率(20%程度が想定されている)により課税を行うとする意見が大勢を占めている。

  「金融所得」については、金融商品の範囲の確定や、損益通算のあり方、金融所得の把握の方法など、検討すべき課題も多い。

http://www.fsa.go.jp/singi/singi_zeisei/gijiyosi/f-20020227_ze-giji.html

2002.3.22 ビジネスメールUP! 270号より )

 

 
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