エンジェル税制

 エンジェル(angel)は、直訳すれば、もちろん"天使"となりますが、エンジェル税制のエンジェルは、ベンチャ−企業への個人投資家という意味で使われています。手元の英和辞書では、このような訳はついていないのですが、資金繰りが大変なベンチャー企業にとっては、「元本」の返済のいらない個人投資家は、「天使のような(ありがたい)人」なので、このように用いられているのです。
  わが国の昨今の経済低迷は、創業者マインドの欠如にあると指摘されています。しかし、実際に創業するとなれば、取引先の開拓・人材の確保・財務会計の処理など、多くの問題をクリアしていかなければなりません。そして創業には、何よりも資金が必要となります。

  創業期の企業には、金融機関も融資を行いにくく、融資できたとしてもすぐに返済が始まり、事業が軌道に乗るまでの企業には、大きな負担となります。そこで、個人投資家からの直接金融を拡大することが求められています。一方、個人の金融資産もペイオフ解禁・銀行機能の低下を受けて、新しい運用方法の開拓が求められています。

  個人投資家が、ベンチャ−企業に投資を行いやすくするための税制上の措置がエンジェル税制ということです。現行のエンジェル税制は、@株式譲渡損の繰越とA株式譲渡益の圧縮という2つの制度からなります。株式譲渡損の繰越は、投資対象企業の株式譲渡による損失が発生した場合に、その損失を翌年移行3年間繰り越して、他の株式譲渡益と通算(相殺)できるとするものであり、株式譲渡益の圧縮は、投資したベンチャ−企業の株式について、株式公開後1年以内に売却した場合の譲渡益を1/4に圧縮するというものです。

  現行エンジェル税制の対象となるためには、経済産業局の「確認」を受けることが必要であり、個人投資家にとってのメリットも魅力的なものとはなっておらず、エンジェル税制の利用は、限定的なものにすぎません。創業者マインドの回復、個人金融資産の活用を通じて経済の低迷を脱する必要があることから、一石二鳥の魅力あるエンジェル税制が検討されることになります。

2002.4.5 ビジネスメールUP! 276号より )

 

 
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