平川税務会計事務所   安藤 誠二


第28回
ISO規格(ISO9000)取得費用について


ISO9000規格とは
 ISO(国際標準化機構)が、「品質マネジメントシステム(品質保証体制)」について定めた国際規格です。従来の1994年版規格「品質システム」の改訂版として、2000年12月15日に発行されました。規格を取得することにより、企業の品質保証管理体制が一定基準を満たしていることが保証されることになります。1994年版規格は、移行措置として2003年12月まで有効とされていますが、今後改訂作業に着手する企業が多くなるものと思われます。

取得費用
 ISO取得には、申請料・基本料・審査料・登録料等がかかります。
  また、取得後も毎年、規格に適合しているかどうか審査が行われるため、定期審査料・年間維持登録料が必要となります。

税務上の取扱い
 ISO取得費用は、支出の効果が将来に及ぶものであり、繰延資産としての取扱いが考えられますが、その特徴として以下の点をあげることができます。

(1) ISO9000規格は、営業権のように譲渡することができるものでは ないこと。
(2) ISO9000規格は、法律に基づいて専有的に使用し得る権利ではな いこと。
(3) ISO9000規格を取得した企業は、品質保証機構の登録マークを自 社製品に付けることはできず、パンフレット・名刺等に記載しPRする ことができるに過ぎないこと。
(4) 取得後も毎年、規格に適合しているか定期審査を受けなければならな いこと。

 以上のことから、ISO9000規格の取得費用は、繰延資産として資産 計上するのでなく、一時の費用として取り扱い、支出事業年度において損 金の額に算入する処理が妥当と思われます。また、毎年行われる定期審査 にかかる審査料・年間維持登録料も同様に損金に算入することが認められ ます。

 ただし、審査基準を満たすために設備投資などを行った場合は、通常の 減価償却資産として資産に計上する必要があります。

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2001.11.5 ビジネスメールUP! 220号より )

 

 
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