第16回

消費税
海上での食事と消費税

"エコノミー症候群"とまではいかなくても、飛行機のエコノミークラスの苦痛は、海外旅行などで長時間のフライトを経験したことのある人なら誰でも味わっているに違いない。そのせいか、最近還暦を過ぎた熟年夫婦などの間でひそかに流行しているのが、「豪華客船」の旅だ。

 豪華客船の旅というと、映画「タイタニック」にもあったように、豪華な食事というのも楽しみの一つ。実は、この船上での食事に「税」の問題が絡んでくる。

 毎日の昼休みのランチなど「陸地」での食事には、5%の消費税(1%の地方消費税を含む)がかかるのは言うまでもないが、船での食事は「海」の上。海の上ともなると、そこが日本なのか外国なのかハッキリしない。果たして、このような状況でも日本の消費税がかかるのかどうか疑問のあるところだが、この点は次のように整理される。

 まず、外国行きの船の場合だが、そこでの食事(その他諸々のサービスすべて)には消費税はかからない。これは、食事の材料などは「通関」を済ませており、「輸出」扱いとなるため。消費税法には「輸出免税」という規定が設けられていることから、課税されないわけだ。これは別に外国船に限ったことではなく、日本船でも同じことである。

 一方、東京港発沖縄行きなど、日本の港間を行き来する船での食事については消費税がかかってくる。「東京から沖縄に行くには、一度日本の領域ではない公海上を通るじゃないか」と反論する人もいるかも知れないが、決まり決まり。たとえ公海上を通っている時に食事をしたとしても、消費税はしっかりかかることになる。

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2001.6.22 ビジネスメールUP! 168号より )

 

 
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