第17回


泣きっ面にハチ?離婚に税金がかかる

 ワイドショーなどで芸能人の離婚が取り上げられると、必ず話題になるのが億の単位が付く慰謝料だ。一般人の離婚となるとウン億円とはいかないが、夫が自分名義の土地建物を別れた妻に財産分与するケースは珍しくない。

  離婚に伴う財産分与だが、この分与、外から見ると贈与に見えるが、厳密には贈与ではなく、基本的に贈与税の課税対象とはならない。

  ただ、例外もあって、「財産の分与として取得した財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮しても不当に多すぎると認められる場合のその“不当に多すぎる部分”」や「離婚を手段として贈与税や相続税を免れようと認められる場合の財産分与」については、贈与税の課税対象になるから要注意である。

  もちろん、これは財産を受け取った“妻”側の課税関係だが、問題は財産を譲った“夫”の課税関係である。

  離婚に伴う財産分与だから、妻からは1円もらうことはないわけだが、この分与、リッパな「譲渡所得」として課税されてしまう。

  どういう理屈かと言うと、夫は土地家屋などの譲渡所得の起因となる資産を「分与義務の消滅」という対価を得て譲渡したとみられてしまうのである。

  離婚の上に譲渡所得課税、まさに泣きっ面にハチだが、こんなことにならないためにも夫婦は仲良しが一番ということだろう。

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2001.6.29 ビジネスメールUP! 171号より )

 

 
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