第46回


家屋の固定資産税は、どうして下がらないのだろう?

 家屋は、時の経過に応じて価値が下がるはずなのに、どうして、固定資産税額は、あまり下がらないのだろうと疑問に思ったことは、ありませんか。  それは、固定資産税評価額の評価方法に再建築価格方式という評価方法をとっているからです。家屋の評価方法には、取得価格を基準とする方法、賃貸料などの収益を基準として評価する方法、売買実例価格を基準として評価する方法などが考えられます。会計を勉強してこられた方は、取得価格を基準として、減価償却により時の経過による価値の減耗を測定する方法が当然と思われていることでしょう。この方法によれば、評価替え毎に家屋の固定資産税評価額は下がり、固定資産税額も下がらなければなりません。

  しかし、再建築価格方式というのは、その家屋を評価時点で新しく建築した場合に要する建築費を「再建築評点数」として算出し、「損耗状況」や「需給事情」等により補正して評価額を求める評価方法です。これまで、家屋の建築費は、一貫して上昇する傾向にあったため、再建築価格方式では、補正後の理論的な評価額が、最初の決定価格を超えてしまっているのです。耐用年数の長い非木造家屋では、その傾向が顕著に表れます。

  当局も再建築価格方式による理論的な評価額が、最初に決定価格を超えた場合に、さすがに決定価格の引き上げはできずに、据え置いてきました。現在、建築費の上昇は、止まっているようですが、理論評価額が、決定価格の水準まで下がってこないと、固定資産税評価額(税額)は、下がらないしくみになっています。

http://www.lotus21.co.jp/data/column/zatugaku/siryou.pdf

バックナンバー

2002.2.22 ビジネスメールUP! 258号より )

 

 
過去のニュース、コラムを検索できます
 Copyright(C) LOTUS21.Co.,Ltd. 2000-2017. All rights reserved.
 全ての記事、画像、コンテンツに係る著作権は株式会社ロータス21に帰属します。無断転載、無断引用を禁じます。
 このホームページに関するご意見、お問合せはinfo@lotus21.co.jp まで