第73回

被相続人の給与債務を相続人が支払う場合には源泉徴収が必要?

 景気の低迷もあり町工場などでは、後継者選びをするのがたいへんなようで、「この仕事は自分の代でおしまい」と考えている経営者も多いようだ。また、事業を経営している父親が亡くなってしまった場合、その息子が事業を継がないというケースも多い。

 ところで、父親が亡くなった後、息子が事業の廃業を決断したが、従業員に対する給与の未払い分がある場合はどうだろうか。当然、息子は従業員に対して未払給与を支払うことになる。ただ、これを相続財産から支払った際には、源泉徴収が必要になるのか疑問に思うところもあろう。なぜなら、直接、相続人である息子が従業員を雇用していたわけではないからという理由だが、実際のところは源泉徴収が必要となる。

 被相続人の財産及び債務については、相続人に承継されることになる。当然のことながら、従業員に対する給与債務も相続人が引き継ぐことになり、給与債務は使用人の先取特権となる。このため、被相続人の債務であったとしても相続によりその権利義務は承継され、相続人である息子の債務となるわけだ。つまり、使用人に対する給与債務の弁済についても、給与等の支払いに該当することになり、支払いの際には所得税の源泉徴収が必要となり、父親の名前で納付することになる。

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2002.9.13 ビジネスメールUP! 338号より )

 

 
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