相当の地代の年率(6%)は高過ぎる?
金利・地価の引っ張り合いから第三の道(実態の承認)を模索する
史上まれな金利低下により、わが国の長期国債(10年国債)の応募者利回りが、この1月にも年1%を切ろうとしている。
一方、法人税法の通達(平成元年3月30日付直法2-2「法人税の借地権課税における相当の地代の取扱いについて」)では、相当の地代の年率を年6%としたままとなっている。
こうした中、課税当局も地代の実態に注目しているが、逆に地代の年率を引き上げる要素ともなる地価の下落動向が止まらないことから、慎重な姿勢を保ったままである。
金利水準からは大幅な引き下げが
当初の相当の地代の年率(8%)の算定基準は、国債の応募者利回りと固定資産税等の租税公課の水準であった。
これを現在にあてはめてみると、国債の応募者利回りが年1%で、固定資産税等の租税公課の実効税率を加えて、相当の地代の年率は2%であっても十分に説明がつく。
地価・地代水準からは大幅な引き上げも
現行の年6%は、昭和60年代に入ってからの異常な地価の高騰があり、相当の地代の計算が実態に即さない面が出てきたとして、平成元年に引き下げられたものである。
一方で、この10年間の地価の下落は、土地価額に対する地代の収益性を引き上げたはずである。さらに、地代は、バブル期の異常な土地高騰に連動させることができなかったため、その後の地価下落期においても上昇していったという実態がある。
日税不動産鑑定士会が行った「継続地代の実態調べ」(平成12年版)によると、東京23区平均の「継続地代の平均的活用利子率」(土地価格に対する地代の割合)は、平成12年1月1日時点の率が昭和63年1月1日時点に比べて、商業地で7倍、住宅地で3.8倍にそれぞれアップしている。
地代の活用利子率が大きく上昇している実態からは、相当の地代の年率を大きく引き上げるべきだという結論が導き出される。
通達による一律課税から実態による課税へ
理論はさておき、通達と実態のかい離から弊害も出始めている。リストラ等により商業施設・工場等が撤収した跡地において、土地活用をはかる場合などである。新規に契約する場合等では、相当の地代による高額な地代では、借り手が見つからず、相当の地代の年率に満たない地代での土地賃貸をせざるをえない状況となっている。
このような場合に直ちに借地権利金や地代の認定課税が行われるかといえば、そこまで課税当局も杓子定規には解釈していないようだ。「課税上の弊害がみられない」経済的に合理性のみられる契約であれば、個別に状況を確認することになるだろう。長期の地価下落・史上まれな低金利は、通達の予期していない状況にあるだけに、しっかりと事前確認を行うことで打開できる場合も多いことだろう。
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(週刊「T&A master」002号「最重要ニュース」より転載)
(分類:税務 2003.3.10 ビジネスメールUP!
403号より
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