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経済的残存使用年数とかい離がなければ税法の耐用年数も可能
ASB・割引前将来CF見積り期間の経済的残存使用年数の取扱い

企業会計基準委員会(ASB)の減損会計専門委員会は、減損損失を認識するかどうかを判定する際の割引前将来キャッシュ・フローの見積もる期間である経済的残存使用年数の取扱いについて、原則として経済的残存使用年数を用いることとし、税法の耐用年数は用いない考え方を示している。
 ただし、税法の耐用年数とかい離していないことを合理的に説明できる場合には、この限りではないとしている。

税法の耐用年数を用いることができるかどうかが論点
 減損損失を認識するかどうかを判定するために割引前将来キャッシュ・フローの見積もる期間は、資産の経済的残存使用年数又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方とされている(固定資産の減損会計基準二2(2))。
 この「経済的残存使用年数」をどのように考えるのか、つまり、企業側としては、税法の耐用年数を用いることができるかどうかが最大の関心事になっている。

「経済的残存使用年数」とは使用可能と予測される年数
 割引前将来キャッシュ・フローを見積もる期間となる資産(又は主要な資産)の「経済的残存使用年数」とは、その資産が今後、経済的に使用可能と予測される年数と考えられ、その資産の「残存耐用年数」と同一になると考えられている。
 したがって、「経済的残存使用年数」については、対象となる資産の材質・構造・用途等の物理的な要因の他、使用上の環境、技術の革新、経済事情の変化による陳腐化の危険の程度、その他当該企業の特殊的な条件も検討し、見積もられることとなるとしている。

合理的に説明できる場合のみ
 この点について、減損会計専門委員会の事務局側では、原則として、経済的残存使用年数を用いることとしている。
 ただし、経済的残存使用年数がその資産に適用している税法の耐用年数とがかい離していないことを合理的に説明できるときのみ、税法の耐用年数を用いることができる見解を示している。この考え方は、日本公認会計士協会の監査第一委員会報告第32号「耐用年数の適用・変更及び表示と監査上の取扱い」と同じものである。
 なお、減損損失が計上されているか否かにかかわらず、経済的残存使用年数が、その資産の減価償却計算に用いられている残存耐用年数と著しく相違し不合理と認められる場合については、耐用年数を変更することになるとしているので、留意したい点である。

 



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週刊「T&A master」003号(2003.1.20)「最重要ニュース」より転載)

(分類:会計 2003.4.2 ビジネスメールUP! 412号より )

 

 
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