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企業組織再編後の2〜3年後の上場は要注意
株式の継続保有要件で新事実

 

 共同事業を行うための組織再編の適格要件である「株式の継続保有要件」だが、再編後、2年から3年以内に上場する場合には要注意だ。税務調査の際には、上場までの過程などの説明が必要になり、当初、経営者が継続の見込みがないことを分かっていれば、非適格組織再編となりかねないことが明らかとなった。

将来の上場の表明はOK
 共同事業を行うための組織再編の適格要件の一つである「株式の継続保有要件」だが、これは、「組織再編成により交付された譲受法人の株式を継続して保有する見込みがある」ことを求めるもの。したがって、組織再編後に株式公開による売出しが予定されているような場合は、株式の継続保有要件に該当しないことになり、非適格組織再編となる。
 しかし、「株式の継続保有要件」は、あくまで企業再編時に株式の継続保有が見込まれていることを求めるものであり、組織再編後の上場をすべて否定するわけではない。「継続保有が見込まれている」か否かは、組織再編時における企業側の「発言内容」と、「再編から上場までの期間」等により判断されるものと考えられるようだ。
 例えば、再編時において、「将来は上場したい」との旨の発言であれば特に問題はないが、「2年後に上場による売出しをする」などと企業側が明言しているケースでは継続保有要件に該当しないことになる。

上場までには2〜3年の準備期間が
 また、「再編から上場までの期間」については、具体的な保有期間についての規定はないものの、再編後、半年程度で上場(による売出し)を果たしたようなケースは継続保有要件が外れることになるが、例えば、1年程度の期間で決算期末をまたぐようなケースであれば、適格組織再編になると今まで考えられてきた。しかし、税務当局側では、この点について、前述の見解とは違ったものを持っているようだ。具体的には、税務調査の際には、上場までの過程などを説明する必要がある。仮に経理担当者が上場までの経緯を知らなくても、経営者が継続保有の見込みがないことを知っていれば非適格組織再編となる模様だ。通常、株式の上場までには2年から3年程度の準備期間を要するからである。ケースバイケースとなるが、組織再編後、2〜3年以内に株式を上場したような場合は特に注意が必要だ。
 なお、逆のケースだが、上場する予定があることを説明することにより、非適格組織再編となった事例は実際にあるようだ。これは、非適格組織再編とすることにより、含み損を一掃することを念頭に置いたものだ。いずれにせよ、税務調査の際には説明責任が求められることになりそうだ。



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 キーワード 「株式」+「継続保有」
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週刊「T&A master」085号(2004.10.4)「最重要ニュース」より転載)

 

(分類:税務 2004.11.19 ビジネスメールUP! 641号より )

 

 
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