公務員はゴルフ禁止なの?
「税理士が税務署職員を接待する場面ってあるの?」みどり
石部税理士とみどりさんは、国家公務員倫理規定の一部改正に関するニュースを見ながら話しています。
「お父さん、国家公務員倫理規定が改正されるっていうニュースを読んで、何か疑問を感じなかった?男性には、伝わらないのかしら?割り勘の会食が原則自由になるのに、どうしてゴルフだけは認められないのかしら?ゴルフだって割り勘ならいいと思うけど、きっとビジネス上では特別な存在なのね。」みどりさんは悟ります。
「そういわれてみると、割り勘、接待ともに禁じられているのはゴルフだけだな。多分、この法律ができた2000年当初の“ゴルフは、通常接待に使われる密室性の高いシチュエーション”という位置付けがそのまま継続されたんだろうね。」
娘「もちろん、接待や国が購入する書籍の監修料の受領などは禁止すべきだと思うけれど、公務員はもっと民間と交流すべきだと思うわ。凝り固まった世界にいると、柔軟な発想や市場経済についていけなくなりそうだもの。国は、日本の経済を左右する重要な政策を形成する役目があるんだから、経済をリードする民間のニーズに敏感であってほしいと思うわ。その点で、国家公務員倫理審査会の今回の意見は賛成できるわ。」
父「みどりが色々な意見を持って頼もしくなったことは確かだけど、官民の“なれあい”は予想を超える現実があったのさ。消費税率のアップも目前に迫ってきているし、増税を推し進めるためには歳出の削減が重要だから、国民の目も厳しくなって“官民の交流”どころじゃないかもしれないよ。」
娘「それはそうと、税理士が税務職員を接待する場面って昔は結構あったのかしら?」
父「そうだなあ…。個人対個人で接すると、互いにけん制してしまうから、まずは地域の会合などに来てもらって懇親するというパターンがあるんじゃないかな。あとは、OB税理士が、現役の税務署職員を飲みに誘うことがあるかもしれないね。普通の企業だって、転職や退職後に元同僚と飲むことは珍しくないから、これが接待と言えるかは微妙だけどね。でも、こういう関係を築いておけば、課税事業者の選択届出書や簡易課税選択届出書なんかの提出ミスがあった場合に、税務職員に口利きしてもらって“やむを得ない事情があった”ことにしてもらってる人もいたのかもしれないね。」
娘「お父さん、それって当然に、法律違反でしょ!?」
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(週刊「T&A master」103号(2005.2.21「石部家の人びと-父と娘の税理士問答」より転載)
(分類:税務 2005.3.9 ビジネスメールUP!
681号より
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