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LLP組合員所得に関する計算書の書式が明らかに
合計表の作成では、組合全体の損益・資産及び負債の記載も

 

平成17年3月31日付の財務省令(所得税法施行規則の一部改正)では、「有限責任事業組合に係る組合員所得に関する計算書」の記載事項・書式が定められ、その内容が明らかになった。

LLP法の施行を見越して計算書を規定
 パス・スルー課税となる事業体「有限責任事業組合(日本版LLP)」制度の創設が、国会で審議されているが、平成17年度税制改正では、「有限責任事業組合契約に関する法律(LLP法)」の成立・施行を見越して、「有限責任事業組合に係る組合員所得に関する計算書」の規定が所得税法の改正に盛り込まれている。所得税法227条の2は、「会計帳簿を作成した組合員は、財務省令で定めるところにより、当該有限責任事業組合に係る各組合員に生ずる利益の額又は損失の額につき、当該有限責任事業組合に係る組合員所得に関する計算書を、当該計算期間の終了の日の属する年の翌年1月31日までに、税務署長に提出しなければならない。」と規定している。この規定は、LLP法の施行の日から施行される。

計算書の役割は「支払調書」だが
 LLP組合員所得に関する計算書は、LLPから各組合員への「支払調書」の役割を担うものであり、各組合員の所得税申告及び税務署が行う突合せに役立つことになる。一方、LLPでは、組合員の損益分配の割合について、総組合員の同意による自治的な分配が認められることになっており、「各組合員に生ずる利益の額又は損失の額」の記載は、組合全体の損益計算書をベースに分配を行った結果ということになる。
 財務省令では、組合員の氏名および住所・損益分配の割合・当該組合の損益計算書に計上されている収益及び費用の内訳並びに当該収益及び費用のうち当該組合に係る組合員の当該収益及び費用の額に相当する額などの記載事項を定めるとともに、計算書の書式及び備考を設けている。

合計表をこの様式に準じて
 LLP組合員所得に関する計算書は、各組合員ごとに作成し、各組合員の収益及び費用の額の相当額等を記載することになるが、会計帳簿を作成した組合員から税務署長への提出にあたっては、合計表を計算書の様式に準じて作成し添付することが、書式の備考に記載されている。財務省に合計表の作成について確認したところでは、合計表の収益及び費用の額・資産及び負債の額には、各組合員の計算書の記載金額の合計額を記載するということであった。組合員所得に関する計算書に合計表を添付することによって、税務署長は、各組合員の利益・損失だけでなく、組合全体の損益計算書・貸借対照表を把握することもできそうだ。

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週刊「T&A master」110号(2005.4.11「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2005.4.27 ビジネスメールUP! 701号より )

 

 
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