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国税局長が一定の地域で「貸宅地割合」を定めることに
評価通達の改正で合わせて1とする借地権控除方式に風穴

 

 国税庁は、7月20日、貸宅地の評価について、貸宅地の価額の実態が原則評価方法(借地権控除方式)と乖離する(特別な)地域に対して、おおむね同一と認められる地域ごとに国税局長が貸宅地割合を定めることとする、財産評価基本通達の一部改正をHP上に公表した。底地評価額と借地評価額を合計して1(自用地評価額)とする評価通達上の土地評価の原則は、実務家からは土地価額の実態に反するとの批判もあったが、課税庁が固守してきたものである。当初は、極めて限定された地域で、「貸宅地割合」を定めることになる。

貸宅地価額の実態から貸宅地割合を定めることに
 貸宅地の評価については、財産評価基本通達の25項に取扱いが明らかとされており、「自用地価額から借地権価額を控除した金額」によって評価することとされている。
 今回の評価通達の改正では、現行の25項(貸宅地の評価)に次の文言が加えられる。

ただし、借地権の目的となっている宅地の売買実例価額、精通者意見価格、地代の額等を基として評定した価額の宅地の自用地としての価額に対する割合(以下「貸宅地割合」という。)がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長が貸宅地割合を定めている地域においては、その宅地の自用地としての価額にその貸宅地割合を乗じて計算した金額によって評価する。

 貸宅地の売買実例価額などから、貸宅地の価額を評定し、自用地価額に対する割合で「貸宅地割合」を定めることになる。
 また、財産評価基本通達25−3項(土地の上に存する権利が競合する場合の宅地の評価)についても、貸宅地割合による評価額を援用することを(注)で留意的に明らかにしている。
 貸宅地の評価については、底地と借地を足して1(自用地価額)とする「借地権控除方式」が原則であり、課税庁が頑なに守ってきた原則であるが、国税局長が「貸宅地割合」を定める地域では、貸宅地の評価は自用地価額に貸宅地割合を乗じて計算した金額となるため、評価通達上も「借地権控除方式」に風穴があけられることになる。

路線価図に「貸宅地割合」を定める地域を表示することに
 国税庁担当官への取材によれば、「貸宅地割合」を定める地域は、極めて限定された地域になるということで、貸宅地の評価方法としては例外的なものとしての位置付けだ。具体的には、平成17年分の路線価等の公表において、路線価図に「貸宅地割合」を定める地域を明示することになる。

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  キーワード 「貸宅地割合
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沖縄の転借権付住宅分譲地に貸宅地割合を定める 2005-08-08
貸宅地の評価など、財産評価基本通達を一部改正 2005-07-20

 

 

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週刊「T&A master」125号(2005.8.1「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2005.9.7 ビジネスメールUP! 750号より )

 

 
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