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職務発明等に係る報奨金の所得税区分を明らかに
広島国税局・岡山大学からの事前照会に回答

 広島国税局は10月3日付けで「職務発明等に係る報奨金の所得税の取扱いについて」と題する文書回答を行った(34頁参照)。これは、岡山大学からの事前照会に回答するもの。
 それによると、知的財産権にかかる発明をした職員に対して支払う報奨金については、まず、特許出願をしたときに支払う「出願補償金」については譲渡所得、また、特許権が登録された場合に支払う「登録補償金」及び大学が特許権を受ける権利等を承継し運用などで収入を得た場合に支払う「実施補償金」については、雑所得に該当するとしている。

報奨金を3区分
 岡山大学では、大学職員が行った知的財産権(特許権、実用新案権、意匠権など)にかかる職務発明等について、@大学が知的財産権を承継し、出願した場合、A大学が承継した知的財産権について法令で定められた権利の設定登録を受けた場合、B大学が承継した知的財産権を運用又は処分により収入を得た場合、それぞれ出願補償金、登録補償金、実施補償金を発明者に支給している。
 具体的に、@の出願補償金については、一出願に対して、1,000円ないし3,000円、Aの登録補償金については、一権利に対して、3,000円ないし9,000円、Bの実施補償金については、大学が職務発明にかかる特許権を承継し、特許権の運用又は処分により収入を得た場合には、その収益に応じた金額を支払うこととしている。
 今回の事前照会は、これらの報奨金に対する所得区分を問うものとなっている。

登録補償金と実施補償金は雑所得
 広島国税局によると、まず、出願補償金については、「特許を受ける権利」等の知的財産権を大学に承継する際に一時に支払を受けるものであるため、譲渡所得に該当すると判断している。
 一方、登録補償金及び実施補償金については、知的財産権の権利の移転によって一時に実現したものでないため、税務上は譲渡所得に該当しないとしている。職務発明の場合は、@特許法、実用新案法、意匠法などの規定に定められた相当の対価請求権に基づいて支払うものであること、A知的財産権を大学に移転した後に大学が権利を独占的に利用して得た利益の実績に基づいて算定され、使用料と同様の性格を有していること、B発明職員が退職した場合や死亡した場合でも当該発明者や相続人へ継続して支払われることなどの理由から、給与所得にも該当しないため、雑所得に該当すると判断した。
 なお、いずれも源泉徴収の必要はないとしている。



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週刊「T&A master」135号(2005.10.24「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2005.11.18 ビジネスメールUP! 778号より )

 

 
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