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名古屋高裁、熊谷組の代表訴訟で株主敗訴の逆転判決
一審判決を取り消し、株主側の請求を棄却

 

 名古屋高裁金沢支部第1部(長門栄吉裁判長)は1月11日、熊谷組の政治献金支出をめぐり提起されていた株主代表訴訟の控訴審で、被告1名に2,800万円余の支払いを命じた一審判決を取り消し、株主側の請求・控訴を棄却する判決を言い渡した。

事件の経緯
 本件は、熊谷組が平成8年から平成12年にかけて行った自由民主党の政治資金団体・国民政治協会に対する政治献金相当額計9,913万3,000円の支出をめぐり、同社の個人株主が平成13年6月26日、福井地裁に提起した事件の控訴審である。最終決裁を行った当時の前社長と元社長の2名に対しては代表訴訟として献金相当額の損害賠償を、社長に対しては政党・政治資金団体等に対する寄附の差止めを求めていた。
 主な争点は、本件政治資金の寄附が、@公序良俗に反するか、A熊谷組の目的の範囲内の行為か、B取締役の善管注意義務に反するかである。

福井地裁判決の概要
 福井地裁民事第2部(小原卓雄裁判長)は、平成15年2月12日、Bについてのみ株主側の請求を一部認容し、「平成一〇年四月一日以後の本件政治資金の寄附については、会社においてその可否・範囲・数額・時期等につき厳格な審査を行い、欠損の解消にどの程度の影響があるか、株主への配当に優先して寄附を行う必要性があるかを慎重に判断することなく実施したもので、その判断過程はずさんであって取締役の裁量を逸脱したものといわざるを得」ないなどと述べて、前社長に対し2,861万5,000円の支払いを命じる判決を言い渡した。2月19日、原告株主、前社長ともに控訴。

本件判決の理由
 控訴審判決においても、@・Aについては株主側の主張が斥けられている。
 Bについて、長門裁判長は、同社の営業状況とそれらに伴い策定された経営革新計画等を仔細に検討した上で、「取締役は、……政治資金の寄附をなすにあたっては、……合理的な範囲において、その金額等を決すべきであり、この範囲を越えて不相応な寄附をした場合には取締役の会社に対する善管注意義務違反となる」として昭和45年最高裁大法廷判決(八幡製鉄事件)を引き、(ア)寄附額が政治資金規正法の制限額と比較して低額にとどまり、年々減額されていること、(イ)国民政治協会がもとより適法な団体であることなどから、「本件政治資金の寄附は合理的な範囲内にあるというべきであり、不相応な寄附とまではいえない」と判示し、取締役の責任を否定した。
 株主側は1月13日、上告している。

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  キーワード 「名古屋高裁」
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週刊「T&A master」147号(2006.1.23「最重要ニュース」より転載)

(分類:会社法 2006.2.15 ビジネスメールUP! 810号より )

 

 
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