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日印租税条約改正で、配当、利子などの源泉地国課税が一律10%に
みなし外国税額控除の規定は廃止

 

 日本政府は2月24日、インド政府との間で日印租税条約(「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とインド共和国政府との間の条約を改正する議定書」)に署名した。今回の改正議定書は、16年ぶりに現行条約の内容を部分的に改めるもの。投資所得(配当、利子、使用料(著作権、特許権等)及び技術上の役務に対する料金)の支払に対する源泉地国課税が一律10%に引き下げられるほか、みなし外国税額控除の規定が廃止される。

租税回避を防ぐ「特典条項」は設けず
 今回の日印租税条約の改正は、インドが「BRICs」と呼ばれる大国の一つであること及び税率が高めに設定されていたことが考慮されて行われた。
 具体的な改正内容は、配当所得に関して、配当に対する限度税率が現行の15%から10%に引き下げられる。また、利子に対する限度税率の引き下げも行われ、現行の10%(銀行)、15%(その他)が、一律10%とされる。さらに、使用料及び技術上の役務に対する料金の限度税率についても、現行の20%から10%に引き下げられる。したがって、投資所得の支払に対する源泉地国課税は、一律10%となる。
 なお、日米租税条約で規定されている租税回避防止のための特典条項は設けられていない。その理由は、今回の改正で免税措置は取られておらず、免税の恩恵を得るための租税回避行為が少ないと見込まれるからだ。

税調等の議論を踏まえて廃止に
 その他、みなし外国税額控除の見直しが行われている。みなし外国税額控除の規定については、1991年のブルガリアとの租税条約以降、何れの国とも行われていない(期限付きは除く)。また、「平成15年度における税制改革についての答申」(税制調査会)を踏まえ、近年締結・改正した条約では、見直し・縮減が図られている。こうした流れを受け、今回の改正においても、みなし外国税額控除の規定が廃止される。

早ければ7月1日以後から適用
 改正議定書については、両国の議会で承認された後、両国間で外交上の公文の交換を行い、その日の翌日から30日目に発効する。改正議定書が今年中に発効した場合、源泉徴収される租税に関しては、発効日が6月30日までならば7月1日以後に租税を課される額、発効日が7月1日以後ならば、2007年1月1日以降の租税に課される額に適用される。
 なお、源泉徴収されない所得に対する租税に関しては、2007年1月1日以後に開始する各課税年度の所得に適用される。

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 キーワード 「インド」
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週刊「T&Amaster」153号(2006.3.6「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2006.3.24 ビジネスメールUP! 826号より )

 

 
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