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株式交付費は原則として、支出時に営業外費用として処理へ
ASB、繰延資産の会計処理に関する当面の取扱いを検討

 

 企業会計基準委員会(ASB)の会社法対応専門委員会では、現在、実務対応報告となる「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い(案)」を策定中だが、このほど、株式交付費については、原則として、支出時に費用(営業外費用)処理する方向であることがわかった。ただし、株式交付費を繰延資産に計上することができるとし、この場合には、株式交付の時から3年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法により規則的に償却することになる。

繰延資産に計上する場合は3年以内で償却
 会社計算規則では、現行の商法とは異なり、繰延資産については、具体的な定めは置かれていない(106条3項5号参照)。また、同委員会が国際会計基準審議会(IASB)と進めているコンバージェンスでも新株発行費の会計処理を取り上げることが明らかにされている。このため、同委員会では、新株発行費(株式交付費)を含む繰延資産全般に関する検討を開始している。
 今回明らかとなった株式交付費(新株の発行又は自己株式の処分に係る費用)については、原則として、支出時に費用(営業外費用)処理することとされている。ただし、株式交付費を繰延資産に計上することができるとし、この場合には、株式交付の時から3年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法により規則的に償却する。

当初は資本から直接控除の方向も
 当初、株式交付費については、国際的な会計基準とのコンバージェンスを念頭に、資本取引に係る付随する費用として、資本から直接控除する方向で検討が進められていた。
 しかし、@株式交付費は株主との資本取引に伴って発生したものであるが、その対価は株主に支払われたものではないこと、A株式交付費は社債発行費と同様、資金調達を行うために要した支出額であり、財務費用としての性格が強いと考えられること、B国際的な会計基準において、株式交付費が資本控除とする方法から一括費用処理する方法に変更される可能性が高いことといった理由により、原則費用処理する方向に転換されている。

株式分割費用は販管費で処理
 なお、株式交付費とは、株式募集のための広告費、金融機関の取扱手数料、証券会社の取扱手数料、株式申込証・目論見書・株券等の印刷費、変更登記の登録免許税、その他株式交付のために直接支出した費用であるとしている。
 ただし、株式の分割や株式無償割当など、繰延資産としての性格が乏しいと考えられる費用は、販売費及び一般管理費の区分において、その支出した事業年度の費用として処理することになる方向だ。

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  キーワード 「繰延資産」⇒8

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週刊「T&A master」158号(2006.4.10「最重要ニュース」より転載)

(分類:会計 2006.5.12 ビジネスメールUP! 844号より )

 

 
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