著作権等について会社概要質問・お問い合せサイトマップ

 

排出量取引の会計処理に関する当面の取扱いを一部改正
ASBJ、棚卸資産会計基準や事業分離等会計基準を受けて修正

 

 企業会計基準委員会(ASBJ)は7月11日、実務対応報告第15号「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い」を決定した(7月14日公表)。同実務対応報告は、平成16年11月に公表したものだが、事業分離等会計基準により現金以外の財産の分配を受けた場合の株主に係る会計処理が定められたことや棚卸資産の評価に関する会計基準の公表により収益性が低下した場合の棚卸資産の簿価切下げが定められたことなどにより、所要の整備を行ったもの。内容面については、大きく公開草案から異なる点はない。原則として、公表日以後から適用される。

棚卸資産として保有する排出クレジット
 主な改正点としては、棚卸資産の評価に関する会計基準の公表に伴う見直しがある。今後、排出クレジットの活発な取引市場が整備され、金融投資としての取引が生じた場合には、トレーディング目的で保有する棚卸資産として、市場価格に基づく価額をもって貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額(評価差額)は当期の損益とすることとされている。
 また、専ら第三者に販売する目的で他社から排出クレジット(棚卸資産)を取得する場合、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
 ただし、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、正味売却価額を貸借対照表価額とし、取得原価との差額は当期の費用として計上する。

在外子会社の排出量取引にも適用
 次に、事業分離等会計基準において、現物配当を受けた場合の会計処理が定められたことに伴い、出資先から排出クレジットが分配された場合の会計処理が定められている。
 また、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」の公表を受け、在外子会社における排出量取引の会計処理についても、原則として、実務対応報告第18号が適用されることになる。

棚卸資産などは平成20年4月1日以後から
 今回の実務対応報告については、原則として、公表日以後適用される。ただし、@排出クレジットに関わる投資が金融投資に該当する場合の会計処理や棚卸資産として保有する排出クレジットの収益性の低下に基づく簿価切下げは、平成20年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表等から適用される(早期適用も可能)、A在外子会社における排出量取引に関する取扱いは、平成20年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表等から適用される(早期適用も可能)ことになる。



※ 記事の無断転用や無断使用はお断りいたします
  ⇒著作権等について

 

 

  T&Amaster 読者限定サイト 検索結果(注:閲覧には読者IDとパスワードが必要になります)ID・パスの取得方法
  キーワード 「排出量取引」⇒17

分類

タイトル
登録日
コラム まるわかり一週間 2006-07-24
会計 排出量取引の会計処理に関する当面の取扱いを公表 2006-07-17
会計 排出量取引の会計処理の当面の取扱いの一部改正案を公表 2006-05-29
コラム 排出クレジット 2006-05-29
会計 連結財表上の在外子会社の会計処理に関する当面の取扱いを決定 2006-05-22
会計 ASB、排出量取引の会計処理の当面の取扱い案を公表 2006-05-17
(以上、最新順)  

 

週刊「T&A master」171号(2006.7.17「今週のニュース」より転載)

(分類:会計 2006.8.21 ビジネスメールUP! 883号より )

 

 
過去のニュース、コラムを検索できます
 Copyright(C) LOTUS21.Co.,Ltd. 2000-2023. All rights reserved.
 全ての記事、画像、コンテンツに係る著作権は株式会社ロータス21に帰属します。無断転載、無断引用を禁じます。
 このホームページに関するご意見、お問合せはinfo@lotus21.co.jp まで