換地の工事費の不足額に充てる賦課金は換地の取得価額に該当
国税庁、土地区画整理事業に対する賦課金の税務上の取扱いを公表
国税庁は7月7日付で「土地区画整理事業のために支出する賦課金の課税上の取扱いについて」と題する文書回答を行った。これは、国土交通省からの事前照会に回答するもの。土地区画整理事業の事業経費に不足が生じた場合で、換地の工事費の不足額に充てる賦課金は、賦課金内訳書の写し等を保管しておくことなどを条件に換地の取得価額として取り扱う旨が明らかにされている。
事業経費が不足した場合に賦課金を徴収
土地区画整理組合(以下、組合)が施行する土地区画整理事業の事業経費については、一般に、組合が取得した保留地の処分代金等により賄われることになるが、最近では、事業経費に不足が生じるケースが見受けられる。今回の事前照会は、事業経費が不足した際に組合員が支出する賦課金の税務上の取扱いを問うものとなっている。
賦課金の税務上の処理は?
まず、各組合員が支払った賦課金だが、@組合員が取得する換地の工事費に係る部分は当該換地の取得価額、A道路等公共施設の工事費に係る部分は繰延資産、Bその他の事務費や借入金利子に係る部分は必要経費または損金として処理する。なお、個人である組合員が当該換地を譲渡した場合については、繰延資産として処理した金額のうちの未償却残額は、譲渡所得の計算上、譲渡費用に算入することができる。
賦課金内訳書の写し等が必要
また、賦課金の各事業経費の配分については、総事業経費の不足額に充てる場合と換地の工事費の不足額に充てる場合の2通りについて取扱いが明らかにされている。
総事業経費の不足額に充てるために徴収されるものである場合には、組合の総事業経費における換地の工事費、道路等公共施設の工事費およびその他の事務費等の各事業経費がそれらの合計額に占める割合により、各組合員が支払った賦課金を按分して、それぞれ、換地の取得価額、繰延資産および必要経費または損金として処理する。
一方、各組合員が取得する換地に係る工事費の不足分として賦課金を徴収する場合については、その旨が組合員に説明され、当該徴収に係る総会または総代会の議決により明らかにされている場合であり、かつ、換地に係る工事費の総額が賦課金の総額を上回っているなど、その議決内容が実態に相応していると認められるときには、その賦課金は、換地の取得価額として取り扱われることになる。この場合の留意点として、各組合員は、総会または総代会の議決に係る議事録および賦課金内訳書の写し等を賦課金の領収書と併せて組合より入手し、保管しておく必要があるとしている。
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キーワード 「土地区画整理事業」⇒31件
(週刊「T&A master」172号(2006.7.24「今週のニュース」より転載)
(分類:税務 2006.9.1 ビジネスメールUP!
888号より
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