財務省、アパート建築費用に課された消費税の還付問題に対応へ
平成19年度改正で消費税法30条が改正の方向

 

 平成19年度税制改正で、消費税法30条(仕入れに係る消費税額の控除)が改正される可能性が高まっている。問題とされているのは、アパート建築費用に係る消費税の還付で、課税期間中に自動販売機等を設置することで課税売上を発生(課税売上割合95%以上)させ、消費税の還付を受けるというもの。国税庁はこの問題について、現行の法解釈上、全額控除を容認する姿勢をみせながらも、財務省と調整を図りながら消費税法30条の見直しを検討する姿勢を示していた(本誌143号12頁参照)。

政府税調では“租税回避スキーム”
 6月16日に開催された政府税制調査会(石弘光会長)の消費税に関する会議では、個人がアパート経営を始める場合に、アパート建築予定地に自動販売機等を設置して建築費用に係る消費税の還付を受けるという事例について、仕入控除税額の計算方法を悪用した“租税回避スキーム”として取り上げられた。通常、アパート建築費用は、非課税売上(住宅家賃)に対応する課税仕入れとなり、消費税の還付を受けることができない。しかし、自動販売機等の課税売上により95%ルール(課税売上割合95%以上の場合、課税仕入れ等の税額を全額控除)を利用することで、消費税の還付が可能となる。
 この問題について、政府税調の委員からは、許してはいけない行為であり、何らかの対策が必要といった意見が出された。また、石会長も、消費税の執行面の問題を踏まえた形で議論していくとの見解を示しており、平成19年度税制改正に向けて議論が深められることが予想される。

財務省、19年度改正に盛り込む意向
 政府税調で事務局を務める財務省は、今のところ、政府税調での議論を見守る姿勢をみせている。しかし、事務局として敢えて消費税の執行面の問題を提起し、「インターネット等で幅広く宣伝されており、我々も何か対策を講じないといけない」としていることから、平成19年度税制改正での消費税法30条の改正に意欲をみせたと捉えることができる。
 また、国税庁では、以前から「現行の法解釈上、全額控除できると言わざるを得ない」と還付を容認する姿勢をみせる一方で、非課税売上に対応する課税仕入れと分かりながら還付されるのは好ましくないとして、財務省との調整により消費税法30条の見直しの検討を示唆していた。
 今回の政府税調における議論は、こうした財務省、国税庁の意向を受けたものと考えられ、平成19年度税制改正において消費税法30条を改正するための布石とみることができそうだ。


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  キーワード 「消費税」+「還付」⇒94

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コラム まるわかり一週間 2006-07-31
解説記事 会計事務所職員のための経理実務 第7回 2006-07-24
資料 FROM INTERNET 2006-06-26
解説記事 会計事務所職員のための経理実務 第4回 2006-06-26
解説記事 会計事務所職員のための経理実務 第3回 2006-06-19
税務 消費税の使途、軽減税率の導入が焦点に 2006-06-16
(以上、最新順)  

 

週刊「T&A master」173号(2006.7.31「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2006.9.4 ビジネスメールUP! 889号より )

 

 
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