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親子会社の判定を行う際の種類株式をどのように取り扱うか?
ASBJ、議決権制限株式の取扱いなどを検討へ

 

 企業会計基準委員会(ASBJ)は議決権制限株式の取扱いについて検討を開始した。親子会社の判定を行う際、たとえば、完全無議決権株式をどのように扱うかなどを検討する。議決権制限株式については、旧商法では規定があったものの、会社法では明示されていないことによるもの。また、議決権制限株式以外の種類株式の検討も行う予定だ。

旧商法では規定も会社法では明示せず
 5月1日施行の会社法では、種類株式として、@剰余金の配当、A残余財産の分配、B議決権制限株式、C譲渡制限株式、D取得請求権付株式、E取得条項付株式、F全部取得条項付種類株式、G拒否権付種類株式、H取締役・監査役選任権付株式が定められている(会社法108条1項)。
 現行の連結財務諸表原則では、支配力基準または影響力基準により子会社および関連会社を判定する際、議決権に着目した判断が行われるが、議決権に制限がある株式の取扱いについては、特に規定されていない。また、旧商法211条ノ2第4項では、完全無議決権株式は親子会社の判定の基準となる議決権に含めないが、議決権が一部制限されている株式については、親子会社の判定の基準となる議決権に含まれる旨の規定がなされていた。しかし、会社法では、子会社の定義が規定されている会社法2条3号および会社法施行規則3条においても、議決権の内容について規定していない。

会社に対する支配力の関係を明確化
 完全無議決権株式についても、その保有者は議決権の直接行使による会社の支配は行い得ないものの、資金調達という側面から間接的に支配力、影響力を及ぼすケースも考えられる。加えて、拒否権付種類株式が有する権利についても、その取扱いを明示しておくことが必要という認識がある。このため、企業会計基準委員会では、種類株式が及ぼす会社への影響を明確にしておくことが支配力基準および影響力基準をより適切な運用を図っていくために必要と判断したものだ。

現行どおり対象外とするか否か
 検討方向としては、従来どおり、完全無議決権株式のみを議決権比率の算定から除外する考え方を継続するかどうかが最初の論点となる。次に変更するとした場合、どのような方法で議決権比率を算定するかが論点となる。現時点では、現行の取扱いにおいても大きな問題が発生していないことから当面の間は、完全無議決権株式のみを算定方法の対象外とする案と会社法上の「相互保有対象議決権株式」(会社法施行規則67条)を認識する際の比率算定を用いる方法等の考え方が示されている。

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週刊「T&A master」177号(2006.9.4「今週のニュース」より転載)

(分類:会計 2006.10.11 ビジネスメールUP! 903号より )

 

 
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