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投資事業組合に対する支配力基準等の実務上の取扱いが決定
ASBJ、従来の会計処理と異なれば会計方針の変更に該当

 

 企業会計基準委員会(ASBJ)は9月1日、実務対応報告第20号「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」を決定した。今回の実務対応報告は、ライブドアの証券取引法違反事件を受けた対応策であり、投資事業組合に対する支配力基準および影響力基準を明確化するもの。公表日以後終了する連結財務諸表等から適用される。ただし、今回の実務対応報告を適用することにより、これまでの会計処理と異なる場合には、原則として、会計基準の変更に伴う会計方針の変更として取り扱うことになる。

業務執行の権限で判断
 投資事業組合については、現行の規定でも、会社と同じく支配力基準および影響力基準が適用され、連結や持分法の対象になるかどうかが判断される。しかし、ライブドアの事件では、投資事業組合を不正に活用することにより、粉飾決算を行っていたという事実が発覚したため、現行の取扱いを明確化することを目的に実務対応報告を作成したもの。
 具体的には、投資事業組合についても支配力基準が適用される。ただし、投資事業組合の場合には、株式会社のように出資者が業務執行者を選任するのではなく、意思決定を行う出資者が業務執行の決定も直接行うことになる。
 このため、株式会社における議決権を念頭に置いて規定している連結財務諸表原則等を投資事業組合に適用する場合には、原則として業務執行の権限によって支配力を判断することになる。また、業務執行の権限の過半の割合を占め、かつ、緊密な者とを合わせて、@投資事業組合の資金調達額の総額の概ね過半について融資および出資を行っている場合、A投資事業組合の投資事業から生ずる利益または損失の概ね過半について享受または負担することとなっている場合等には、当該投資事業組合は子会社に該当することになるとしている。
 この「緊密な者」には、自己(子会社を含む)と関係がない場合であっても、自己の意思と同一の内容の業務執行の権限を行使すると認められる者も含まれるとした。
 また、投資事業組合が関連会社に該当するかどうかについても、影響力基準により判定されるが、支配力基準と同様、業務執行の権限を用いることにより判断することになる。

ベンチャーキャピタル条項は検討中
 なお、子会社である投資事業組合が、営業取引としての投資育成目的や再生支援目的で他の会社等の株式を所有している場合の取扱いについては、現在、企業結合専門委員会で検討が行われている。

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  キーワード 「投資事業組合」⇒38

分類

タイトル
登録日
会計 複数の投資事業組合を経由している場合は最終的な投資先の把握が必要 2006-10-12
資料 実務対応報告第20号 投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い 2006-10-02
会計 ベンチャーキャピタルが投資育成で保有する会社も連結対象に 2006-09-25
会計 複数の投資事業組合を経由する際の監査上の留意点 2006-09-25
コラム ベンチャーキャピタル(Venture Capital) 2006-09-25
コラム まるわかり一週間 2006-09-18
(以上、最新順)  

 

週刊「T&A master」178号(2006.9.11「今週のニュース」より転載)

(分類:会計 2006.10.13 ビジネスメールUP! 904号より )

 

 
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