定期同額給与への該当は期中の役員給与全体で判断
会計期間開始から3月以内改定でも損金不算入に

 

 定期同額給与を法人税法施行令69条1項1号に基づき会計期間開始から3月以内に改定した後、同2号に基づき、経営不振等により給与改定(減額)を行った場合、期中を通じて支払われた役員給与全額が損金不算入の対象になることが本誌の取材で確認された。ただ、役員給与の取扱いについてはその取扱いが不確定なところもあり、条文解釈とは別に弾力的な取扱いを模索する動きもありそうだ。

2度改定なら定期同額給与の対象外に
 定期同額給与は、原則として各支給時期における支給額が同額であることが求められるが、「会計期間開始の日から3月(保険会社は4月、以下同)を経過する日までに改定がされた場合(法令69条1項1号)」あるいは「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由により改定された場合(法令69条1項2号)」においても例外的に損金算入が認められている。
 実務家の間で問題となっているのは、法人税法施行令69条1項1号に基づき「会計期間開始の日から3月を経過する日まで」に役員給与の改定を行い、その後、再度改定(減額)を行った場合だ。
 3月決算法人を例にとると、6月末の株主総会で役員給与を改定し、さらに、9月に経営不振等から改定(減額)を行ったケースである(左図参照)。

  

 この場合、9月30日の給与改定は法人税法施行令69条1項2号に抵触することになるが(本誌177号「役員給与に関するQ&A第2弾」5頁参照)、期首から6月30日までに支給された分(Aの部分)については法人税法施行令69条1項1号によって救われ、損金算入が可能であるようにみえる。これは、6月の給与改定はあくまでも条文どおり「会計期間開始の日から3月を経過する日まで」に行われているからだ。
 しかし、定期同額給与に該当するかどうかは、期中に支払われる役員給与について一体的に判断されるものであり、左図のA部分だけが定期同額給与に該当し、B、Cは該当しないとの解釈はとりえない。すなわち、法人税法施行令69条1項2号の要件を満たさない以上、役員給与全額が損金不算入の対象となるので注意したい。
 なお、条文解釈上は役員給与全額が損金不算入の対象となるとする一方で、納税者の責めに帰すべき事情もないため、執行上弾力的な取扱いを模索することにもなりそうだ。

 

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  キーワード 「定期同額給与」⇒13

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解説記事 18年度税制改正 役員給与に関するQ&A 第3弾 2006-09-25
コラム まるわかり一週間 2006-09-11
解説記事 18年度税制改正 役員給与に関するQ&A第2弾 2006-09-04
税務 定期同額給与に非該当でも増減部分以外は損金算入 2006-08-28
コラム まるわかり一週間 2006-08-28
コラム 定期同額給与の改定タイミングにご注意 2006-08-28
(以上、最新順)  

 

週刊「T&A master」178号(2006.9.11「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2006.10.16 ビジネスメールUP! 905号より )

 

 
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