法人税法改正を理由とする減価償却方法の変更は正当な理由に該当せず
会計士協会、減価償却に関する当面の監査上の取扱いを公表

 

 日本公認会計士協会は4月25日、監査・保証実務委員会報告第81号「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」を公表した。平成19年度税制改正において償却可能限度額および残存価額の廃止を含む減価償却制度の抜本的な見直しが行われたことに伴い、減価償却に関する当面の監査上の取扱いをまとめたもの。たとえば、旧定率法から定額法へ変更する場合には、監査上、会計方針の変更として取り扱われることになるが、この場合、単に法人税法の改正を理由とするだけでは正当な理由に該当せず、変更理由の合理性が問われることになる。なお、適用は、平成19年4月1日以後終了する事業年度からとし、既存資産の残存簿価の取扱いについては、平成19年4月1日以後開始する事業年度から適用される。

償却方法の変更は会計方針の変更に該当
 具体的に、新規取得資産については、旧定率法を採用していた場合に定率法を、旧定額法を採用していた場合に定額法をそれぞれ採用する場合には、同一種類で同一用途の減価償却資産について、類似の減価償却方法を採用するものと認められる。このため、法令等の改正に伴う変更に準じた正当な理由による会計方針の変更として取り扱われることになる。
 一方、旧定率法から定額法へ、旧定額法から定率法へ変更する場合には、監査上、会計方針の変更として取り扱われることになる。ただし、この場合には、単に法人税法の改正を理由とするだけでは正当な理由に該当せず、変更理由の合理性が問われることになるので要注意だ。連結会社間の会計処理を統一することや適正な期間配分となるなどの合理的な理由が必要となろう。
 また、既存資産について、新規取得資産と同様の方法に統一する目的で減価償却方法を変更する場合においても、会計方針の変更として取り扱われることになるが、この場合も変更理由の合理性が問われることになる。

追加情報として開示が必要
 従来の償却可能限度額が廃止されたことに伴い、既存資産について償却可能限度額まで償却が終了している場合の残存簿価の会計処理については、償却が終了した事業年度等の翌事業年度以後5年間での均等償却を行い製造原価または通常の期間費用として処理している場合は、監査上妥当なものとして取り扱うとしている。ただし、この処理方法を採用した場合は追加情報として開示する必要がある。
 また、残存簿価を一括で損失処理することは、減損会計基準の適用など、合理的な理由がある場合にしか認められないので留意したい点だ。

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(以上、最新順)

週刊「T&A master」210号(2007.5.14「今週のニュース」より転載)

(分類:会計 2007.6.22 ビジネスメールUP! 1001号より )

 

 
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