定期同額給与は職務執行の対価、改定後の額の支給は総会翌月から
総会後間もない時期の支給は、課税上、問題視される可能性も

 

 定時株主総会で役員給与の改定を決議した場合、総会開催後、間もない支給日に改定後の額を支給しなければならない(たとえば、支給日が毎月25日で定時株主総会を6月20日に開催した場合、6月25日から改定後の額を支給)とする考えが一部にあるようだ。しかし、課税当局では、役員給与は職務執行の対価であることから、職務執行期間に対応させ、総会開催月の翌月の支給日(7月25日)から改定後の額を支給するのが妥当と判断している。
 なお、仮に6月25日から改定後の額を支給した場合、役員の職務執行の対価とみなされないことから、課税上、問題視される可能性もある。

総会の翌月初からの職務執行開始を是認
 定期同額給与について6月20日の定時株主総会で増額改定を決議した場合、総会後間もない支給日となる6月25日から改定後の額を支給しなければ、法令69条1項の規定から外れ、定期同額給与に該当しないのではないかとの疑問がある。
 しかし、課税当局では、役員給与は職務執行の対価であることから、役員の職務執行期間に対応した支給を求めている。この職務執行期間については、国税庁が昨年6月に公表している「役員給与に関するQ&A」の「職務の執行を開始する日」(Q6)に、次のような記述がある。

……役員給与について、「職務の執行を開始する日」を定時株主総会の日以外と定めた場合であっても、その日が定時株主総会の翌月初であり、かつ、定時株主総会の日に近接する日であれば、税務上も、事前確定届出給与に係る「職務の執行を開始する日」として企業実務の観点から是認し得るものであると考えられます。

 上記は事前確定届出給与に関する記述だが、定期同額給与における役員の職務執行期間にも当てはめることができるだろう。つまり、6月20日の定時株主総会において、役員の職務執行の開始日を7月1日からとした場合でも、税務上、是認されることになり、7月1日からの職務執行の対価は、7月25日に支給するのが妥当と判断される。
 この場合、総会で7月分から改定後の額を支給する旨の決議をすれば足りる。

7月25日からの支給に課税上の弊害なし
 なお、7月分から改定(引上)後の額を支給する旨を決議せずに、7月25日から改定後の額を支給するケースについて、課税当局では、6月25日の支給額が改定後の額より低い額なので、課税上弊害はないとしている。逆に、6月25日から改定後の額を支給した場合には、職務執行の対価とならないことから、課税上、問題視される可能性が出てくる。

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  キーワード 「役員給与」+「職務執行」⇒18

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解説記事 中小企業のための役員給与税制Q&A 2007年 06月 04日
コラム 役員退職給与の税務について〜損金経理要件が廃止された影響〜

2007年 05月 21日

資料 法人税基本通達等の主要改正項目について(国税庁) 2007年 04月 02日
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解説記事 最新Q&Aと19年度税制改正で役員給与税制はこうなる!

2007年 01月 08日

資料 役員給与に関する質疑応答事例

2006年 12月 21日

(以上、最新順)

週刊「T&A master」219号(2007.7.16「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2007.8.29 ビジネスメールUP! 1026号より )

 

 
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