顧問料未払いで役務提供継続でも「未収金」の計上で可
債権放棄なら寄附金課税

 大企業の業績好調が伝えられる一方で、依然業績不振にある中小企業も少なくない。会計事務所や税理士法人等にあっては、こうした業績不振の顧問先からの顧問料の支払いが滞るケースがみられる。
 会計事務所等は、すぐには顧問先との顧問契約を解除せず、顧問料の支払いが滞ったまま役務提供を継続せざるをえないのが実情だが、この場合、当該顧問料相当額が寄付金と取り扱われるなど、税務上の問題が発生することがあるので注意が必要だ。

「取引関係」があっても法基通9−4−1は適用不可
 長期間顧問契約を結んでいる場合などにおいては、顧問料の支払いが滞っても、すぐに顧問契約を解除できないのが実情だろう。
 ただ、顧問料を受け取らないまま顧問業務に係る役務提供を継続した場合には、税務上の問題が発生するケースがあるので留意したい。
 第1に、法人税法上の寄附金の問題である。役務提供を継続したまま顧問料を受け取っていないということで、本来受け取るべき顧問料相当額が会計事務所等において「寄附金」、顧問先においては「受贈益」になるのではないかという疑問が生じる。
 この点について本誌が取材を行ったところ、単に顧問料をもらっていない状況では当該顧問料相当額は「未収金」となり、ただちに寄附金課税を受けることはないことが確認されている。
 しかし、顧問料について会計事務所等が債権放棄をした場合には、当該顧問料相当額が「寄附金」と認定されることになるので要注意だ。法人税基本通達には、子会社等に対する債権放棄については寄附金と取り扱わない旨の規定があり(法基通9−4−1)、この「子会社等」には、「当該法人と資本関係を有する者のほか、取引関係、人的関係、資金関係等において事業関連性を有する者が含まれる」とされる(同注書き)。会計事務所等と顧問先には「取引関係」があるようにも見えるため、寄附金課税を免れるようにも思われるが、本稿のようなケースは同通達の適用対象外であることも取材で確認されている。
 第2の問題点が消費税である。会計事務所等が顧問料について債権放棄を行った結果認定される「寄附金」については、消費税法上の課税売上となる「役務の提供」には該当しない。
 ただし、顧問先が倒産するなどし、未収金の回収ができなかった場合には、当該顧問料相当額は法人税法上の貸倒損失となり、当該貸倒損失に係る消費税は、貸倒れが生じた課税期間の課税売上に対する消費税から控除することになる。

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コラム 本人確認・取引届出の義務が新法施行で金融機関以外に拡充 2007年 11月 26日
オフィシャル税務 相互協議事案の発生件数が初めて150件を突破 2007年 10月 08日
資料 税制調査会第9回調査分析部会(7月13日開催)議事録

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オフィシャル税務 無形資産の有無は単に利益率の比較結果のみで判断せず 2007年 07月 02日
(以上、最新順)

週刊「T&A master」233号(2007.11.5「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2008.1.9 ビジネスメールUP! 1073号より )

 

 
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