地方法人特別税創設で、超過税率の引上げも
一部都道府県が検討

平成20年度税制改正では、法人事業税収のほぼ半分を分離する形で「地方法人特別税」が創設されるが、これにより、一部の都道府県では実質的な減税となる。これは、地方法人特別税においては、事業税における「超過税率」の適用はできないからだ。
 しかし、一部の都道府県では、減税分を補うために超過税率の引上げの是非を検討していることが本誌の取材で判明した。

法人側は「増減税なし」との認識
 平成20年度税制改正で導入される「地方法人特別税」とは、都市部と地方との地域間の財政力格差を埋めるため、およそ26兆円の法人事業税を分離する形で創設されるもの。地方法人特別税は、「消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置」であり、分離された法人事業税を「人口」および「従業員数」を基準として都道府県に譲与することになる。
 このような地方法人特別税の導入理由からすると、地方法人特別税は都道府県にとってメリットのある税のようにみえるとともに、法人側からすると、法人事業税から分離されたものに過ぎないことから、「実質的な増減税はない」との理解が一般的となっている。
 しかし、一部の都道府県では、地方法人特別税の導入に伴って、実質的な減税となる可能性のあるところがある。

制限税率までは0.05〜0.07の余裕
 実質的な減税となる可能性があるのは、事業税において「超過税率」を採用している都道府県だ。
 地方税法では、法人県民税と法人事業税について標準となる税率を定める一方で、「財政上の特別の必要がある場合には、地方団体は、この標準となる税率を超える税率(超過税率)を条例で定めて課税することができる」としている(地方税法1条1項5号)。しかし、国税である地方法人特別税には超過税率は適用できないため、これまで法人事業税に超過税率を採用してきた都道府県においては、超過税率を適用できない分だけ、減税になるというわけだ。
 法人事業税において超過税率を採用しているのは、東京、大阪、愛知、神奈川、京都、兵庫、静岡などで、これらの都道府県では、この減税の問題を認識している模様。このうち東京都などでは、超過税率を引き上げるかどうか、「その是非を含め検討している」という。
 超過税率は1.1倍が制限税率、すなわち上限となっているが、東京、大阪、神奈川、京都、兵庫、静岡の超過税率は1.05倍、愛知の超過税率は1.03倍となっており、制限税率までは0.05〜0.07の余裕が残されている。これらの都道府県の対応が注目される。

  

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解説記事 プロからの税務相談(法令等の根拠に基づく即決判断)第239回 2008年 03月 10日
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(以上、最新順)

週刊「T&A master」245号(2008.2.4「今週のニュース」より転載)

(分類:税制改正 2008.3.19 ビジネスメールUP! 1101号より )

 

 
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