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従業員持株会は形態に応じて「株主数」を判断
企業再編税制、株式継続保有要件の適用有無の判定で

 従業員持株会を設けている会社は少なくないが、企業再編税制における株式継続保有要件の適用の有無の判定の際には、従業員持株会を「何人」の株主とカウントするかという問題がある。
 この点、基本的には、従業員持株会が「人格なき社団」である場合には1人、民法上の組合となっている場合には組合員数(従業員株主数)でカウントすることが考えられよう。

株主数の少ない中小企業等で問題に
 株式継続保有要件は、共同事業を営むための合併等が税制適格に該当するために求められる要件の1つとなっているが、合併を例にとると、被合併法人の株主等の数が50人以上である場合には、この株式継続保有要件は課されない(法令4条の2第4項かっこ書き)。
 このため、従業員持株会を「何人」の株主とカウントするかは、株式継続保有要件の適用の有無を大きく左右することになる。被合併法人等の株主が明らかに50人以上であるような上場企業は別として、中小企業等である場合には重要な問題となりうる。

個性重視の「組合」なら従業員株主数でカウント
 従業員持株会を何人とカウントするかについては2つの考え方がある。1つは「1人」とする考え方であり、もう1つは「従業員持株会に属する従業員数」とする考え方であるが、この点、従業員持株会の形態が1つの判断材料となろう。
 従業員持株会は「民法上の組合」となっている場合と「人格なき社団」である場合があるが、民法上の組合は構成員の個性が重視され、団体としての独立性がないとされる一方で、人格なき社団は団体としての組織を備え、団体として独立している。この点に着目すれば、従業員持株会が民法上の組合となっている場合には組合員数(従業員株主数)でカウントし、人格なき社団である場合には「1人」としてカウントすることが考えられよう。
 株式継続保有要件の適用を受けないという観点では、従業員持株会を民法上の組合としておくことも選択肢となろう。

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  キーワード 「従業員持株会」⇒42

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登録日
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(以上、最新順)

週刊「T&A master」251号(2008.3.17「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2008.5.9 ビジネスメールUP! 1120号より )

 

 
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