「資本金等の額」と「利益積立金額」

 「フローだけじゃなくて、資本の性格も検討するのが税理士だよ。」金吉

 医療法人に関する税制の整備が行われ、設立時の受贈益や持分なし医療法人移行時の出資払戻債務免除益について、益金不算入となりました。

 「みどり、今年の税制改正では医療法人に関する税制の整備が行われているけど、知っているかい?」
 石部金吉税理士は、娘の石部みどり税理士にたずねました。

 「社団である医療法人で持分の定めのあるものが持分の定めのない医療法人となる場合に、持分の払戻しをしなかったことに伴う利益(出資払戻債務免除益)について益金不算入とされたのよね。法人税課税が生じないことがはっきりとしてよかったんじゃないのかしら?」
  石部みどり税理士も税制改正事項を勉強している回答です。

「確かに設立時の受贈益や出資払戻債務免除益が当該医療法人において課税されないことは明確化されたけど、それだけの問題ではないかもしれないぞ。」

「だって、法人税法施行令の136条の4に益金不算入規定が設けられたじゃないの。」

「フローだけをみているのはプロじゃないと思うよ。設立時の受贈益については、これまで資本金等の額と規定されていたものが、利益積立金額の加算項目として取り扱われることになったんだよ。同じように、出資払戻債務免除益についても、利益積立金額の加算項目となっているんだよ。」

「『資本金等の額』でも『利益積立金額』でも、どちらでもいいわ。どうせ課税されないわけだから。」

「そうかなあ。持分のない社団医療法人が合併したり、解散したりするような場合には、課税関係が変わってくるんだよ。利益積立金額を構成することになれば、みなし配当となって、出資者で課税されることになるね。」

「でも持分の定めのない医療法人では、出資者に残余財産の分配は行われないことになっているわ。みなし配当課税が行われるのはどんな場合なのかしら?」

「僕も持分のない医療法人からのみなし配当がどんな場合に想定できるのかまだよくわからないんだけど、利益積立金額として規定されたからには、みなし配当課税のことも常に念頭に置いておかなければいけないとのさ。」

「そういわれれば、そのとおりよね。今回利益積立金額と規定された設立時の受贈益なども、見方によっては、出資者の拠出金に類するものとして、資本金等の額として取り扱ってもおかしくない性格のものよね。」

「非課税収入の性格から利益積立金額としているんだね。」

 

  ※ 記事の無断転用や無断使用はお断りいたします
  ⇒著作権等について

 

  T&A master 読者限定サイト 検索結果(注:閲覧には読者IDとパスワードが必要になります)ID・パスの取得方法
  キーワード 「資本金等の額」⇒123

分類

タイトル
登録日
コラム 社会医療法人の移行時にも贈与税のリスク 2008年 07月 07日
解説記事 吸収合併における抱合株式の処理について

2008年 07月 07日

解説記事 プロからの税務相談(法令等の根拠に基づく即決判断)第251回 2008年 06月 16日
解説記事 法律・政省令の規定で確認する 新しい公益法人課税制度(2) 2008年 06月 16日
プレミアム税務 株式移転完全親法人株式等の売却額がそのまま課税上の譲渡益に 2008年 06月 16日
解説記事 プロからの税務相談(法令等の根拠に基づく即決判断)第246回 2008年 05月 05日
(以上、最新順)

週刊「T&A master」262号(2008.6.16「石部家の人びと―父と娘の税理士問答」より転載)

(分類:その他  2008.8.4 ビジネスメールUP! 1156号より )

 

 
過去のニュース、コラムを検索できます
 Copyright(C) LOTUS21.Co.,Ltd. 2000-2017. All rights reserved.
 全ての記事、画像、コンテンツに係る著作権は株式会社ロータス21に帰属します。無断転載、無断引用を禁じます。
 このホームページに関するご意見、お問合せはinfo@lotus21.co.jp まで