「事業承継税制がスタートすると税理士は大変だぞ」

「後継者が相続前に役員に就任している事実が大切なんだ。」金吉

石部金吉と石部みどりの税理士父娘(おやこ)は、経営承継円滑化法の政省令案について話しています。

 「お父さん。経営承継円滑化法の政省令案の内容が明らかにされているわ(今号4頁参照)。事業承継税制は、平成20年10月1日以後の相続に遡って適用されることになっているけど準備は大丈夫なの?」
  石部みどり税理士は、事業承継税制の検討状況に苛立ちを感じています。

 「税制については、相続税の課税方式の見直しの問題があるから、どうしようもないんだよ。それでも、適用対象会社の要件である計画的取組みに係る経済産業大臣の確認については、平成22年3月31日までの間の相続について、後継者が相続前に役員に就任しているなどの場合には救済措置が設けられることになったのは助かるね。」
  石部金吉税理士も事業承継税制への対応には困っていた様子です。

「相続税の試算もできないのに、事業承継の計画的な取組みが行われてきたことの大臣の確認なんて、難しいわよね。」

「とにかく今は後継者が相続前に役員に就任しているなどの事実関係を明確にしておくことが大切なわけだし、その後は、事業承継の計画的な取組みが行われたことについての大臣の確認手続を理解しておく必要があるんだね。」

「相続税の課税方式の変更についても、財務省主税局と日税連調査研究部が意見交換をしているんでしょう?」

「そうはいっても、相続税の課税方法の具体的な制度設計が簡単に固まるとは思えないよ。」

「事業承継税制で税理士の役割は大変になるのかしら?」

「遺産取得課税方式に改められると、事業承継税制や小規模宅地の評価減といった税制特例の対象となる相続人とそれ以外の相続人との利害が一致しにくくなるから、遺産分割の調整の役割は大変になると思うよ。」

「そうよね。これまでは、相続人の1人が特例の対象となることで、特例の対象とならない相続人の相続税も少なくなっていたから、反発も少なかったけど、遺産取得課税方式では、特例の対象となる相続人ばかりが特例の恩恵を受けて、その他の相続人の相続税には反映されないことになるのよね。」

「円満な相続のためには、それぞれの特例について理解してもらうことと、各相続人の税負担を明確にしてあげることが大切になってくると思うんだ。税理士は大変だと思うよ。」

 

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コラム 相続税の課税方式の見直しはできるのかしら? 2008年 08月 25日
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週刊「T&A master」266号(2008.7.14「石部家の人びと―父と娘の税理士問答」より転載)

(分類:その他 2008.9.1 ビジネスメールUP! 1166号より )

 

 
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