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         どちらでもいい選択と窮極の選択 
           
        「誠心誠意検討した結果が定額給付金の実施とは思えないんだ。」金吉 
           
          税理士の石部金吉には、定額給付金の実施はどちらでもよいことですが、みんなで育てたPちゃんを食べるかどうかは窮極の選択です。 
           
          「お父さん、お父さんは反対しているけど、生活対策として定額給付金が実施されることになりそうね。」 
          石部みどり税理士は定額給付金を楽しみにしている様子です。 
           
          「みどりのおかげで9年前にも地域振興券をもらったけど、俺の洋服を買って使っちゃったのを覚えているよ。定額給付金に景気刺激効果がないとはいえないけど、僕は将来のマイナスの影響の方が大きいんじゃないかと心配なんだよ。」 
          石部金吉税理士は定額給付金を冷ややかに受け止めています。 
           
           娘「生活対策では妊婦検診の無料化も実施するらしいわ。このまえの診療拒否の痛ましい事件の反省かしら?」 
           
          父「それはどうかな? 僕が夢中になってみていたキムタクの『CHANGE』では、小児診療で同様の事件が取り上げられているんだよ。産婦人科の受け入れ態勢が危機的であることはわかっていたことでもあると思うんだ。政治家にはドラマを甘くみてもらっては困るんだよ。」 
           
          娘「そうよね。キムタクはカッコよすぎて現職の首相が追いつけないなんて、どうしようもないコメントばかりで、もっと誠実に問題を受け止めてもらってもよかったと思うわね。」 
           
          父「僕が今窮極の問題として受け止めているのが、ブタのPちゃんを食べるかどうかという問題なんだよ。」 
           
          娘「映画の『ブタがいた教室』で子ども達が真剣に議論しているテーマよね。」 
           
          父「もう50を過ぎた僕が考えるテーマとしてはおかしいかもしれないけど、学校でみんなで育てたPちゃん(ブタ)を食べてしまうかどうかは、とても難しいテーマだよ。」 
           
          娘「そうね。特に都会の子が自分達で育てた家畜を食べられるとは思えないわね。」 
           
           父「でも、それだと、やっぱり豚肉も牛肉も鶏肉も食べているわけだから、ダブルスタンダードになってしまうんだよ。僕も自分で育てた豚を食べる気にはなれないと思っているんだけど、そういう考え方自体がずるいような気がして、うまく答えが出せないんだよ。それに比べれば、定額給付金の実施なんて、どちらでもいい問題なんだよ。選挙が気になって仕方がないということもあるけれど、政治家に誠実さが不足しているような気がするね。」 
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        (週刊「T&A master」282号(2008.11.10「石部家の人びと―父と娘の税理士問答」より転載) 
         
        
          
        
         (分類:その他 2009.1.16 ビジネスメールUP! 
          1216号より 
          ) 
          
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