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国税庁が三社合併への照会で回答、一部市販解説書と解釈が違う?
各合併を切り離してそれぞれ適格判定することに

 一つの会社が複数の会社を吸収合併するケース(以下「三社合併」という)があるが、国税庁は1月30日、この三社合併の税制適格判定に関する照会に対する回答を公表した。
 それによると、三社合併が行われた場合には、「個々の合併ごと」に適格判定を行うことが明らかにされている。
 一方、これまで一部市販解説書などでは、三社合併のように一つの会社が複数の会社を吸収合併する場合においては、これらの合併を一体とみて、それぞれの合併がすべて税制適格要件を満たす場合のみ、当該一体の合併が税制適格再編に該当するとの記述がみられたようだ。
 今回国税庁より明らかにされた照会事例は、これまで流布されていた取扱いとは異なるとの指摘もあるので留意が必要となろう。
  
従来は「一体の合併」として適格判定
 照会の対象となったのは、右下図のように、A社(合併法人)がB社(被合併法人)およびC社(被合併法人)を吸収合併するような「三社合併」だ。
 国税庁は経済産業省からの照会に回答する形で、このような三社合併においては、A社とB社との間の合併(以下「第1合併」という)およびA社とC社との間の合併(以下「第2合併」という)という2つの合併が行われていることから、第1合併、第2合併それぞれの合併ごとに適格判定を行うことを明らかにしている。
 これによると、たとえば第1合併が適格、第2合併が非適格となった場合には、(当該三社合併全体を非適格とするのではなく)少なくとも第1合併のみは適格再編として取り扱われることになる。
 これに対し、一部の市販解説書などでは、第1合併と第2合併がともに適格要件を満たす場合、はじめて当該三社合併が適格再編になる旨の記述がみられる。逆にいうと、第1合併、第2合併のいずれかが非適格である場合には、たとえ一方が適格要件を満たしていても、ともに非適格と判定されるということだ。このような見解は、A社が「一人二役」をする当該合併では、A社とB社の合併、A社とC社の合併を一体的にみるべきであるとの考え方がベースになっているものと思われる。
 この点、今回国税庁より明らかにされた照会事例は、一部の市販解説書とは異なるとの指摘もあるため、実務家にあっては留意が必要であろう。

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  キーワード 「吸収合併」⇒181

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(以上、最新順)

週刊「T&A master」294号(2009.2.9「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2009.4.8 ビジネスメールUP! 1249号より )

 

 
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