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「CAL組織増大術」による乳房再建手術費用は医療費控除の対象
東京国税局が(株)バイオマスターからの事前照会に文書回答

 東京国税局は平成21年1月16日付で、「乳がんの治療に伴い乳房を失った患者に対する「CAL組織増大術」を用いた乳房再建手術に係る費用の医療費控除の適用の可否について」と題する文書回答を行った。乳がんの患者に対して「CAL組織増大術」を用いた手術を行っている株式会社バイオマスターからの事前照会に回答したもの。
 文書回答で東京国税局は、当該「CAL組織増大術」による乳房再建手術費用については、医療費控除の対象となる医療費に該当するとしている。

乳がん患者を対象とした手術
 事前照会を行った株式会社バイオマスターは、再生医療を中心とする研究を行っており、構造改革特別区域法18条に基づき、高度美容外科医療専門クリニック「セルポートクリニック横浜」を開設し、乳がんの治療に伴い乳房を失った患者を対象として、「CAL組織増大術」(患者自身の脂肪を吸引し、そのうち脂肪由来幹細胞を抽出し患者に移植する方法)を用いた手術を自由診療で実施している。

所基通73−4には該当しない
 事前照会において同社は、以下の理由等から、「CAL組織増大術」を用いた乳房再建手術の費用(標準的費用:片側で147万円(消費税込み))は、医師による診療等の対価で通常必要と認められ、医療費控除の対象となる医療費(所法73条、所令207条)に該当するとしている。
@ 乳がんの治療では、一般に腫瘍箇所の除去とともに乳房の切除が行われることから、乳房の概観を復元させることは乳房を原状に回復させる行為と考えられる。また、「CAL組織増大術」を用いた乳房再建手術は、医師により乳がんの治療に伴い乳房を失った患者に対して行われる乳房再建手術であることから、乳がん(病気)の治療の一部を構成するものと考えられる。
A 乳房を失われた患者にとっての「生活の質の向上」(「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」)は、乳房再建手術により失われた乳房を再建し、切除前と同様の生活を送ることであり、乳房再建手術は乳がん治療の一環として一般的に行われているもので、いわゆる豊胸手術のように美容目的で行われるものとは性格が異なるから、「CAL組織増大術」を用いた乳房再建手術は、所得税基本通達73−4に定める「容姿を美化し、又は容ぼうを変える費用」には該当しない。
 これに対して東京国税局は、照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えないと回答している。

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  キーワード 「医療費控除 対象」⇒62

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登録日
コラム 会計事務所のための 平成20年分所得税確定申告のチェックポイント 2009年 02月 09日
オフィシャル税務 性同一性障害による性別適合手術が医療費控除の対象に

2008年 06月 30日

オフィシャル税務 メタボ検診における医療費控除の取扱いが明らかに

2008年 05月 26日

オフィシャル税務 メタボ健診の医療費控除の取扱いが明らかに

2008年 05月 20日

資料 特定健康診査及び特定保健指導に係る自己負担額の医療費控除の取扱いについて(文書回答)(平成20年5月12日) 2008年 05月 19日
資料 第10回国税審議会、第6回国税審査分科会、第31回税理士分科会、議事要旨及び説明資料

2008年 04月 04日

(以上、最新順)

週刊「T&A master」295号(2009.2.16「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2009.4.15 ビジネスメールUP! 1252号より )

 

 
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