自家用設備の耐用年数、その設備を有する法人の「業種」で判定
新設された耐用年数通達1−4−5の解釈を課税庁に確認
国税庁が1月に公表した耐用年数通達の一部改正では耐通1−4−5(自家用設備に適用する耐用年数)が新設されたが、この自家用設備の耐用年数に係る具体的な取扱いが判明した。自家用設備の発電設備や金型製造設備等については、当該設備を有する法人の「業種」により、いずれの業用設備に該当するか判定することになる。
耐通1−4−5では自家用設備を例示
平成20年度税制改正で耐用年数省令が改正され、「機械及び装置」の資産区分が390区分から55区分に大括り化された。これを受けて国税庁は耐用年数通達の改正を行ったが、そのなかで、耐通1−4−5が新設された(右掲参照)。この自家用設備に係る通達の解釈について、企業の間で疑問が生じているようだ。それは、同通達に掲げられている(1)〜(4)の各設備について、各々の業用設備の耐用年数を適用するのではなく、製造業等を営む法人の本来の「業種」により業用設備を判定して、その耐用年数を適用してよいのかというもの。
「業種」判定は大括り化の趣旨にも合致
具体的な事例でみていこう。同通達(1)のケースとして、法人が製油所を営むために発電設備を有していたとしよう。この場合、通達における「最終製品」は発電設備から生ずる「電気」ということになり、その電気を専ら用いて生産等される「他の最終製品」は「石油」となる。
そして通達では、最終製品を専ら用いて他の最終製品が生産等される場合、「最終製品=電気」に係る設備ではなく、「他の最終製品=石油」に係る設備として、別表第2に掲げる業用設備の判定を行うとしている。つまり、製油所を営むために有している発電設備は「31電気業用設備」には該当せず、当該法人の本来の「業種」である「9石油製品又は石炭製品製造用設備」に該当するということだ。この取扱いは、当該自家用設備を「他の最終製品」(事例の場合、石油製品)を生産等するための一体の設備とみることで、法人の本来の「業種」により業用設備を判定するものであり、「機械及び装置」の資産区分を大括り化した趣旨に合致したものといえよう。
耐通1−4−5
次に掲げる設備のように、その設備から生ずる最終製品を専ら用いて他の最終製品が生産等される場合の当該設備については、当該最終製品に係る設備ではなく、当該他の最終製品に係る設備として、その使用状況等から1−4−2の判定を行うものとする。
(1)製造業を営むために有する発電設備及び送電設備
(2)製造業を営むために有する金型製造設備
(3)製造業を営むために有するエレベーター、スタッカー等の倉庫用設備
(4)道路旅客運送業を営むために有する修理工場設備、洗車設備及び給油設備
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(週刊「T&A master」297号(2009.3.2「今週のニュース」より転載)
(分類:税務 2009.5.8 ビジネスメールUP!
1258号より
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