業績悪化改定事由での役員給与の減額に期間を定める要因なし
役員の不祥事等による一時的な減額とは異なる取扱い

 業績悪化改定事由に該当する役員給与の減額については、昨年12月、国税庁がQ&Aを公表し、その明確化が図られたところ。そして昨年からの経済状況の悪化を受け、役員給与の減額を行う企業も多いと思われるが、業績悪化改定事由による役員給与の減額には、減額する期間を定める要因がないことに留意しておきたい。

客観的事情があるやむを得ない減額か
 業績悪化改定事由(法令69条1項1号ハ)について、法基通9−2−13は「経営状況が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があることをいう」としている。国税庁が昨年12月に公表した「役員給与に関するQ&A」では、同通達の定めについて、「会社の経営上、役員給与を減額せざるを得ない客観的な事情があるかどうかにより判定することとなり……財務諸表の数値が相当程度悪化したことや倒産の危機に瀕したことだけではなく、経営状況の悪化に伴い、第三者である利害関係者(株主、債権者、取引先等)との関係上、役員給与の額を減額せざるを得ない事情が生じていれば、これも含まれる」としている。
 国税庁が上記Q&Aで、業績悪化改定事由に該当するケースを明確化した背景には、経済状況の悪化を受けた企業の経営状況などへの配慮があると考えられ、実際に経営状況の悪化などから役員給与を減額する企業も多いと思われる。そこで、業績悪化改定事由による役員給与の減額においては、減額期間を決めなければならない要因がないことを確認しておきたい。
 たとえば、12月決算法人が、経営状況等が悪化したことを理由に、今年6月から8月までの3か月間に限り役員給与の減額を臨時株主総会で決議したとする。この場合、経営状況の悪化等が3か月で回復することを前提としていることから、その減額改定は業績悪化改定事由に該当しないと判断されることになろう。
 また、同法人が、今年6月から来年5月までの1年間に限り、役員給与を減額すると決議した場合は、減額期間中に通常改定時期が到来することから、通常改定による役員給与の増減を判断すればよく、減額する期限を決める必要性はないことになる。

期間を決めた減額にQ&Aで言及なし
 役員給与の一定期間の減額については、「役員給与に関する質疑応答事例」(平成18年12月)問3で、役員の不祥事等による一時的な減額が定期同額給与に該当するケースが示されている。しかし、前述の「役員給与に関するQ&A」では、期間を定めて役員給与を減額した場合について、業績悪化改定事由に該当すると言及されていない点に留意しておきたい。

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(以上、最新順)

週刊「T&A master」304号(2009.4.27「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2009.6.29 ビジネスメールUP! 1280号より )

 

 
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