連結納税制度、22年度改正で見直し求める声も
欠損金の持込み制限、寄附金課税など

 平成14年度税制改正で連結納税制度が導入されてから7年が経過し、採用企業も増加傾向にあるが、一方で、いまだ採用に踏み切れない企業も少なくない。その原因とされるのが、連結納税グループへの加入時等における子法人の欠損金の持込み制限や、子法人の資産に対する時価評価課税、連結グループ法人間で寄附を行った場合におけるダブル課税などだ。
 企業側からはこれらの見直しを求める声もあがっており、平成22年度税制改正の焦点となる可能性もありそうだ。

子法人の欠損金切捨てに抵抗感
 連結会計制度等を背景に、企業のグループ経営はますます進んでいる。こうしたなか、連結納税制度を採用する企業グループは増加をみせているものの、一方で、連結納税制度の採用に踏み切れない企業も少なくないのが現状だ。
 その背景には、連結納税制度におけるいくつかの規定がある。
 1つは、連結納税制度の開始時や、連結納税グループへの加入時において、原則として子法人の有する欠損金の持込みはできないこととする規定である。これは、連結納税制度の採用に際して、子法人の欠損金を切り捨てなければならないことを意味するため、この規定に抵抗感を持つ企業は少なくないようだ。
 また、やはり連結納税開始等の際における、子法人の有する資産に対する時価評価課税も連結納税制度採用を回避する要因の1つとなっている。

寄附の場合の課税は「どちらか一方に」
 このほか、連結グループ法人間での寄附に対する課税を気にする企業も多い。
 現行の連結納税制度では、寄附を行った側で損金不算入、受けた側で受贈益というダブルでの課税が行われることとなっている。しかし、企業側には、損益通算を趣旨とする連結納税制度のもとで、このようなダブル課税が行われることについて不満の声が少なくなく、「どちらか一方だけの課税にとどめるべき」との意見も聞かれる。
 企業側からはこれらの見直しを求める声もあがっており、平成22年度税制改正の焦点となる可能性もありそうだ。
 ただ、仮に連結納税制度の見直しが検討されるとすれば、租税回避防止策とのセットとなるだろう。特に問題になりそうなのが、子法人の欠損金の持込み制限の緩和だ。その導入にあたっては、たとえば、米国の連結納税制度のように、子会社の連結グループ加入前に生じた欠損金については、連結納税申告における繰越控除の対象金額を、その子会社の連結申告年度における累積の課税所得に制限するルールなどが検討される可能性もある。

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週刊「T&A master」309号(2009.6.8「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2009.8.5 ビジネスメールUP! 1295号より )

 

 
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