中小企業等の再生支援が目的の地方版産業再生機構
税務上のメリットもある企業再生支援機構が始動へ

 株式会社企業再生支援機構法(法律第63号)が6月26日に公布された。9月中には企業再生支援機構が設立され、業務が開始される予定だ。同法は、地方の中小企業等の再生支援を目的とした企業再生支援機構を発足させるためのもので、産業再生機構の地方版といえるものだ。なお、同機構が関与して策定された事業再生計画により債権放棄が行われた場合には、債権放棄による損失の損金算入や債務免除益に対する欠損金の損金算入が認められる方向となっている。今回のスコープでは、同機構の概要について紹介する。

株式会社地域力再生機構法案を修正した企業再生支援機構
 株式会社企業再生支援機構法は、政府が平成20年2月1日に国会に提出した「株式会社地域力再生機構法案」を修正したものである(図表1参照)。なお、当初は、第三セクターも支援対象となっていたが、民間企業への支援を集中的に行う意図から除外されている。
 

 企業再生支援機構は、全国で1つに限り設立される株式会社(主務大臣認可)。外部有識者を含む意思決定機関である企業再生支援委員会を設置。事業や財務を再構築する「事業再生計画」の策定支援や債権者などの利害関係者の調整などを行うことになる。
 支援対象となる企業については、同委員会が支援基準(支援対象となる事業者の基準で、主務大臣が告示で規定)に従って支援を決定する。支援決定の際には、対象事業者の名称や決定の概要が公表される。
 支援基準については、(1)有用な経営資源を有していること、(2)過大な債務を負っていること、(3)3年以内に事業再生が見込まれるものであること、(4)当該事業者が再生計画をもって再生支援を申し込むこと、労働組合等と話合いを行うこと等が主な要件となっている。このうち、(3)については、@主要支援者の同意があること、A企業再生支援機構が買い取った債権の処分が可能であること、B事業内容・財務内容の改善が大きく見込まれること(1人当たり付加価値額が6%以上向上など)が要件となっている。
 なお、支援決定後の再生支援の流れは図表2のとおりとなっている。

債務免除益に対する欠損金の損金算入のメリットなど
 企業再生支援機構を活用する最大のメリットとしては、金融機関と対象企業との利害調整の円滑化が挙げられる。金融機関にとっては、債権放棄による損失の損金算入や債務者区分上のランクアップがある。一方、対象企業については、同機構が関与して策定された事業再生計画により債権放棄が行われた場合には、債務免除益の範囲内での過去の欠損金の損金算入や評価損の損金算入が認められる方向となっている。
 この点は、まだ正式に決まったわけではないが、内閣府が税務当局等と確認手続を行う予定となっている。産業再生機構が関与して策定された再生計画により債権放棄が行われた場合の税務上の取扱いと同様のものとなると考えてよさそうだ。
 そのほか、金融機関やファンド、スポンサー等と連携して、資金面での支援が行われるほか、地方の枠を超えた全国レベルでの経営人材の確保や最適なスポンサーの発掘が可能になる。

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(以上、最新順)

週刊「T&A master」314号(2009.7.13「SCOPE」より転載)

(分類:その他 2009.9.14 ビジネスメールUP! 1310号より )

 

 
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