中小法人に対する法人税率、個人事業者よりも有利に?
特殊支配同族会社課税廃止と併せ、法人化促進も

 民主党はマニフェストのなかで、中小法人に対する法人税率の引下げを打ち出しているが、仮に800万円以下の所得に対し一律に11%の税率が適用されれば、法人住民税を考慮しても、最低税率の適用を受ける個人事業者よりも中小法人の税負担が軽くなるケースが出てくる。
 やはり民主党がマニフェストのなかで打ち出している特殊支配同族会社課税の廃止と併せ、個人事業者の法人化を促進することにもなりそうだ。

「11%に引き下げる」の意味
 民主党政権への様子見で、各省庁からの平成22年度税制改正要望が小粒にとどまる一方、民主党はマニフェストに盛り込んだ項目の早期実現を目指していく方針を打ち出している(本誌321号11頁参照)。
 民主党がマニフェストで打ち出した税制改正の柱の1つが、中小法人に対する税率を現行の18%(本則22%)から11%に引き下げる案だ。マニフェストには、「中小企業の法人税率を11%に引き下げる」との記述しかないが、仮にこれが「800万円以下の所得に対し一律に11%の税率を適用する」ことを意味するとすれば、法人住民税を考慮しても、個人事業者に対する最低税率の15%(所得税5%+地方税10%)より中小法人の税負担が軽くなる。
 仮にこれが実現すれば、やはりマニフェストに盛り込まれ、実現が確実な特殊支配同族会社課税の廃止と併せ、個人事業者の法人化を促進することにもなりそうだ。
 ただ、この改正について、早くも「個人事業者の税率とのバランスがとれない」との指摘がなされている。このような指摘を受け、たとえば800万円以下の所得に対し最低税率を11%とする階段状の税率(たとえば所得のうち300万円までの部分は11%、それを上回る部分には15%等)が検討される可能性もありそうだ。

新税制調査会メンバーには会計士、税理士等の実務家も
 このように、マニフェストに盛りまれた税制改正内容についても、実現に向け、詰めの議論が必要になってくることもあろう。
 こうした議論を担っていくと思われるのが、民主党が掲げる「政府税調」と「党税調」を統合した形の新税制調査会だ。
 脱官僚依存を掲げ、政治主導を強調する民主党だが、技術的な内容を含む税法の改正となると、非専門家の政治家による対応は困難となろう。こうしたなか民主党では、新税制調査会に、ブレーンとなる税理士、公認会計士や企業の実務家を入れていくことも示唆している。実務家にとって、税制改正のプロセスに加わる意義は大きいだけに、選定の基準やどの程度の人数になるのかなども注目されるところだ。

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  キーワード 「特殊支配同族会社課税」⇒14

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(以上、最新順)

週刊「T&A master」323号(2009.9.21「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2009.11.25 ビジネスメールUP! 1337号より )

 

 
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